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2008年10月

通常の訴訟との違い?

いろいろご質問いただいております。

なかなか全てにはお返事できず,すみません。

できる限りお答えしていきたいと思っています。

引き続きドシドシご質問ください。

今日ご紹介させていただくご質問は,これです。

税務訴訟に関して通常の訴訟と違い,

気をつけていることはありますか?

なかなか奥の深いご質問です。

ありがとうございます。

このご質問は,2つの要素に分解できそうです。

それは,次の2つです。

①税務訴訟と通常の訴訟の違いは何か?

②上記①の違いから気をつけていることはあるか?

違いはあります。

税務訴訟の特徴とも言い換えられるでしょう。

気をつけていることは?

いずれも,次回以降にお答えさせていただきますね

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ストック・オプション訴訟の場合

前回お話しました税務訴訟にかかる時間。

当事務所で担当した過去の事件の例も挙げてみます。

たとえば,ストック・オプション税務訴訟の場合。

当事務所では約50件を担当しました。

各事件で進み方は違うのですが,ある代表的な事案です。

平成13年 6月 提訴

平成14年11月 第1審判決(東京地裁)

平成14年12月 国側控訴

平成16年 8月 控訴審判決(東京高裁)

平成16年 8月 当方上告

平成18年 9月 最高裁弁論

平成18年10月 最高裁判決

これは,あくまで1つの例です。

地裁判決が出て控訴がない場合もあります。

その場合は地裁判決で確定します。

高裁判決が出て上告がない場合もあります。

その場合は高裁判決で確定します。

審理の迅速化が要請される今日の裁判。

といっても複雑な事案ではある程度時間がかかります。

わたしどもは,この時間を訴訟活動に注力しています。

納税者の方々の主張を裁判所に理解しいただく時間。

そう考えていただければよいかと思います。

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税務訴訟は長期戦?

(ご質問)

税務訴訟は,どのくらい時間がかかるのですか。

というご質問をご紹介しながら,ご回答が遅くなってしまいました。

ちょうど,ある税務訴訟の控訴審での反論書を書いておりました。

地裁では当方が全面勝訴し,国から控訴された事件です。

さきほど反論の書面を書き終えたところです。

たとえば,この事件ですと,提訴したのが平成18年の11月。

第1審の判決が出たのが今年(平成20年)の7月下旬でした。

地裁だけで約1年8か月かかっています。

これが早いか遅いかといいますと,税務訴訟では平均的です。

統計上の数字ではありませんが,地裁で2年が目安です。

その意味ではこの事件は比較的早い方だったと思います。

地裁で勝訴しても,控訴されると高裁で控訴審があります。

高裁では1回結審も多いのですが,長いと1年かかることも。

通常は半年くらいが目安でしょうか。

そして,控訴審判決が出た後,最高裁に上がった場合。

書面主義が原則の最高裁では,ひたすら待つことになります。

経験上,また他の税務判例をみていると,1年~2年でしょうか。

こうした数字をみると,税務訴訟は長期戦といえるかもしれません。

もっとも,勝訴判決が確定すれば,還付加算金がつきます。

勝訴判決が確定して返還されるまでの期間で計算しますので,

長く戦った分は,還付加算金という形で返ってきます。

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どれくらい時間がかかるのか?

続々とご質問いただいております。

よくある質問からお答えしたいと思っています。

次回は,次のご質問にお答えする予定です。

(ご質問)

税務訴訟は,どのくらい時間がかかるのですか。

提訴される方から必ずといってよいほど受けるご質問です。

引き続き,ご質問を募集いたします。

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税務訴訟の争い方

不服申立てをして訴訟を提起する予定です。

この場合,処分された税額を納めなくてもよいですか?

といったご質問をいただきました。

税務調査段階でご相談にいらした方からよくある質問です。

課税処分がされ,この取消しを求めて争う場合。

異議申立てや審査請求という手続を経る必要があります。

その際,「処分をされた税額は納めないままでよいですか?」

というご質問を受けることが多いです。

違法な処分であれば最終的には取り消されるでしょう。

けれど,そうであってもいったん納税しておく必要があります。

裁判所で違法と判断されるかもしれない。

しかし,処分をされた以上,その税額はいったん納付します。

そうしないと延滞税が発生してしまうからです。

処分税額を納付しておいた場合。

判決で処分の取消しが確定すれば,その納付額は返還されます。

のみならず,還付加算金という利息のようなものもつきます。

税務訴訟で争う場合でも,処分税額を納付しておくことです。

◇ご質問をくださった方々へ。

順次ご回答する予定ですので,お待ち下さい。

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争う場合でも納税が必要?

税務訴訟は,税務署長が行った課税処分の取消しを求めるもの。

課税庁の処分は違法だと考えているからこそ提訴します。

そうであれば,処分で示された税額を納付しなくてもいいのでは?

とも思えます。

次のようなご質問をいただきました。

不服申立てをして訴訟を提起する予定です。

この場合,処分された税額を納めなくてもよいですか?

近いうちにご回答させていただきます。

みなさまのご質問をお待ちしております。

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税務訴訟の勝訴率 Part2

税務訴訟の勝訴率については,国税庁が発表をしています。

最新のデータは,昨年度(平成19年度)です。

平成19年度に終結した訴訟事件の取消率は次のとおりです。

一部勝訴  6.4%

全部勝訴  7.8%

合計    14.2%

何らかのかたちで納税者の主張が認められた。

そういう訴訟事件が14.2%あるということです。

ちなみに,平成18年度は17.9%でした。

こうした数字を高いとみるか低いとみるか。

それは見方によると思います。

客観的データとしてはこうした統計が出ています。

有罪率が99%(無罪率1%)の刑事事件とは違う。

そのことはわかっていただけたと思います。

実際に税務訴訟を担当しているわたしの感覚については,

また機会をみつけて書く予定です。

きちんと主張・立証をすれば十分に勝てるようになってきた。

それがいまの税務訴訟だと思っています。

(ご質問を下さった方々へ)

回答できる範囲で順次アップをしていく予定です。

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税務訴訟の勝訴率

先日は税務訴訟の費用負担についてご説明しました。

税務訴訟というと,勝訴率が気になる方も多いようです。

国を被告として戦う訴訟なので,勝てないのではないか?

そういったイメージをもたれている方もいると思います。

けれど,現在の税務訴訟の現状としてはそうではありません。

きちんとした主張と立証を行っていけば処分が取り消される。

そういう認識が持てるような状況になってきました。

とはいっても,どれくらいの勝訴率なの?

という点が気になりますよね。

そこで。

次は税務訴訟の勝訴率についてお話したいと思います。

当ブログではみなさまのご質問を受け付けております。

ささいな疑問でも構いませんので,ふるってご質問ください。

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税務訴訟の費用

前回ご紹介させていただきましたご質問にお答えします。

(ご質問)

納税者の負担費用は大きいのでしょうか。
ケースバイケースでしょうが、支障のないところでお聞かせください。

お答えします。

税務訴訟を提起される方にとって,費用は関心が高いと思います。

実際にかかる費用はご質問のとおりケースバイケースです。

一般的にかかる費用は次のようなものがあります。

①弁護士費用

 (法律事務所により異なります)

②印紙代

 (裁判所に納める費用。訴額により異なります。)

③予納郵券

 (裁判所が発送する書類の切手代を予め裁判所に納めます。)

④その他の実費

 (税務訴訟では学者の先生の意見書費用などがあります。)

こうしたコストがかかる税務訴訟。

勝訴判決が確定した場合には,次のようなものが還付されます。

①納付済みの本税

②納付済みの加算税

③納付済みの延滞税

④還付加算金(利息のようなもの)

⑤納付済みの地方税(本税,加算金,延滞金)

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質問のご紹介

昨日スタートしました「税務訴訟Q&A」。

質問が来なかったらどうしよう?

と少し不安もあったのですが,早速ご質問をいただきました。

回答は次回以降にさせていただく予定です。

まずはご質問をご紹介します。

「税務訴訟は一般の方には馴染みがないと思います。
 先生のブログでレベルアップできると楽しみです。」

ありがとうございます。

レベルアップのお役に立てられるよう「わかりやすく」解説します。

「 そこで質問。納税者の負担費用は大きいのでしょうか。
ケースバイケースでしょうが、支障のないところでお聞かせください。」

「Q」をいただき,ありがとうございます。

費用の点は読者のみなさまも関心が高いかと思います。

「支障のないところで」解説させていただきます。

次回以降にお答えする予定です。

みなさまのご質問をお待ちしております。

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税務訴訟のカタチ

弁護士の木山(きやま)でございます。

小百合ちゃんコーナーに登場する「木下」ではありません。

お気をつけ下さい。よろしくお願いいたします。

まずは,このブログのご説明から。

このブログは「税務訴訟に関する「Q&A」」です。

「税務訴訟」の「手続的なこと」「実務的なこと」をご説明します。

はじめて税務訴訟を提起しようとされている方々など。

「わからない」ことが多いと思います。

そうした方を対象に「初歩的なこと」をお話しようと考えています。

「税務訴訟」の経験を活かし,「実務的な」お話をします。

いつまで続くかわかりませんが…

「鳥飼日記」や「小百合ちゃん」に負けないよう更新を続けたい。

と考えております。

…ところで。

「Q&A」などといっておきながら,初回ですので「Q」がありません。

はい。

ということで,今回は,自分で「Q」を考えてみました。

記念すべき第1回をご覧いただいた賢明な読者のみなさま。

「税務訴訟」の意味を今さらご説明する必要がないかもしれません。

けれど第1回ですし。

「なんとなく」といったイメージしか持てない方も多いかと思います。

そこで。本日は,こんな質問を考えてみました。

.

質問!

「税務訴訟Q&A」っていうけど,「税務訴訟」って何ですか?

(ベタすぎですね。すみません。)

.

お答えします。

新聞等で「課税処分取消し」の判決が報道されることが増えました。

税務訴訟の典型は,こうした課税処分の取消しを求めるものです。

企業や個人の方が行った確定申告。

その内容を,税務署長が「更正」することがあります。

いわゆる「更正決定」で,「更正処分」と呼ばれています。

法律の「解釈」の仕方や,「事実」に対する捉え方の違い。

課税庁と納税者との間にこうした「ギャップ」が生じた場合。

「税額を増額させる「更正処分」をされたけれど,間違いだ。」

という不服が納税者の側に生じることがあります。

そこで,裁判所に正しい「法解釈」,正しい「事実認定」をしてもらう。

そして,税務署長が行った課税処分を取り消してもらう。

こうした目的で行われるのが「税務訴訟」です。

「税務訴訟」は,国を被告として課税処分の取消しを求めるもの。

いわゆる「行政訴訟」です。

「行政訴訟」は広い意味では「民事訴訟」の1つです。

「刑事訴訟」ではありません。

「脱税」で無罪を主張する裁判は「刑事訴訟」です。

「脱税」は,税金を逃れるために財産を意図的に隠したような場合。

「脱税」は「犯罪」ですので,疑いをかけられれば逮捕されることも。

「税務訴訟」が対象にする「課税処分」は「行政処分」です。

決して逮捕されるようなものではありません(ご安心を)。

違法(と考える)課税処分の取消しを求める「行政訴訟」。

これが「税務訴訟」のごくごく基本的なカタチです。

.

いかがでしたでしょうか?

わからないことがあれば,ふるってご質問ください。

みなさまのご質問(が届く日)を心より楽しみにしております。

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