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税務訴訟が増加した背景(その4)

引き続き,税務訴訟が増加した背景の話を。

今日は,背景④についてお話します。

④は「納得行かないものは司法で決着をつける

という意識の萌芽」でした。

近年,司法の世界では多くの改革がなされました。

いわゆる司法制度改革です。

弁護士の数が少ないということで,弁護士数を増員。

司法試験の合格者を増加させました。

のみならず,旧来の試験の制度を改正し,

法科大学院(ロースクール)の卒業者が受験する

新司法試験の制度に移行されました。

来年からは,刑事事件で裁判員制度も始まります。

企業不祥事が続くなか,企業の法整備も拡充。

会社法,公益通報者保護法,内部統制など。

裁判所の判決も,企業責任を認めるものが増えました。

特に役員に対する損害賠償額が巨額化しています。

また,いわゆる情報公開法の制定以降は,

行政訴訟に変化がみられました。

行政側の証拠の開示を求め,それを訴訟で

証拠として提出するのです。

裁判は証拠によって動きますので,

従前入手できなかった行政文書の公開は,

行政訴訟を行う方にとって強力な武器です。

税務訴訟も行政訴訟の1つです。

税務訴訟でも課税処分は巨額化しています。

そして,巨額の処分が取り消される判例が

増えています。

旧興銀事件の最高裁判決では3200億円の

課税処分が取り消されました。

こうした法律と判例の変化が起き始めている日本。

テレビ番組でも法律や弁護士ものが増えています。

アメリカのような訴訟社会になるかはわかりませんが,

確実に「納得行かないものは司法で決着をつける」

という社会的風土が芽生えつつあります。

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