処分取消訴訟のほかには?
(ご質問)
税務訴訟には処分取消訴訟しかないのでしょうか?
というご質問をいただきました。
「税務訴訟のカタチ」を書いたときは取消訴訟のみを書きました。
行政法に「取消訴訟中心主義」という言葉があるように,
税務訴訟でも,実際のほとんどは取消訴訟だからです。
税務署長からなされた更正処分の取消しを求める。
源泉徴収の場合には,納税告知処分の取消しを求める。
通常は賦課決定処分もあるので,その取消しも求める。
賦課決定は,過少申告加算税,重加算税などがあります。
(納税告知処分の場合は不納付加算税です)
こうした処分の取消しを求める訴えは,提訴期限があります。
提訴の前に不服申立ての期限があります。
それを徒過してしまった場合に考えられるのが,
課税処分の「無効確認訴訟」,減額更正の「義務付け訴訟」。
「無効確認訴訟」は判例上要件が厳しくなっています。
「義務付け訴訟」も明文化されたのが平成16年改正で,
実効性はまだ判例上明らかではありません。
それ以外にも,生じた損害の賠償を求める国賠もあります。
国家賠償請求訴訟です。
さらに,税金を納付したが「法律上の原因」がない。
としてその返還を求める「公法上の不当利得」請求もあります。
それぞれの状況に応じて,有効な手段を考えることになります。
| 固定リンク
最近のコメント