« 行政事件は武器対等か? | トップページ | 税務訴訟の裁判官は何人いるのか? »

税務訴訟はいつでも提訴できるか?

(ご質問)

審査請求をし裁決で棄却されました。

裁決が出たのは1年前です。提訴できますか?

(ご回答)

税務訴訟の中心は「処分取消訴訟」です。

税務署長からなされた課税処分の取消しを求める訴えです。

この取消訴訟を提起するためには,法律上の制限があります。

提訴期間(提訴期限)と呼ばれるものです。

裁決がでると,ご本人に裁決書謄本が送達されます。

この送達の日の翌日から起算して6か月以内が提訴期間です。

裁決が出たことを知った日から6か月以内が期限なのです。

平成16年の行政事件訴訟法改正前は,3か月でした。

現在は6か月に伸びました。

といっても,6か月(半年)です。

この期限を過ぎてしまうと取消訴訟を提起できなくなります。

例外的に「正当な理由」があれば提訴が可能な場合もあります。

この救済規定は,平成16年改正で定められました。

しかしあくまで例外ですので,よほどの事情が必要です。

したがって,裁決から6か月以上たっている質問のケースでは,

処分取消訴訟を提起することは困難といわざるを得ません。

取消訴訟ができないからといっても,

提訴がまったくできなくなるわけではありません。

取消訴訟ではなく「無効確認訴訟」をするという方法もあります。

「無効確認訴訟」は,課税処分の無効を確認してもらう訴え。

法律の概念として「取消し」は事後的に行い効果が遡及します。

これに対して,「無効」はもともと無効であったと考えます。

そのため,この「無効確認訴訟」は提訴期限はありません。

もっとも,判例上「無効」が認められるためには要件があります。

「重大かつ明白な瑕疵(かし)」がある場合のみ無効になります。

ほかにも「公法上の不当利得返還請求」という手段もあります。

これは「還付金等の返還請求」にあたるため,

請求をすることができる日から5年で消滅時効にかかります。

国税通則法74条1項に規定があります。

このように提訴手段は複数ありますが,期限の問題もあります。

そこで,提訴を考えている方は,裁決書を受領されたら,

すぐに専門の弁護士に相談することをおすすめします。

|

« 行政事件は武器対等か? | トップページ | 税務訴訟の裁判官は何人いるのか? »