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2009年3月

税務訴訟の数字

突然ですが,次の数字。

何の数字だかわかりますか?

もちろん,税務訴訟に関係がある数字です。

平成10年 290

平成11年 308

平成12年 325

平成13年 328

平成14年 311

平成15年 401

平成16年 443

平成17年 316

平成18年 325

平成19年 322

年度ごとの数字が並んでいます。

さて,この数字。

何の数字かといいますと,税務訴訟の件数です。

正確にいうと,地方裁判所全体における新受事件数です。

1年間に新しく提訴された税務訴訟の件数です。

(統計数字は「最高裁判所行政局調べ」より)

最近は,税務訴訟は増えているといわれることがあります。

これは,平成15年~16年ころの数字をみるとそうでした。

この時期は,ストック・オプション訴訟が活発化していた時です。

平成16年に443件まで上昇した税務訴訟の件数は,

その後は320件くらいで落ち着いています。

こうしてみると,「税務訴訟はそれほど増えているわけではない」

といえそうです。

もっとも最近の税務訴訟は質的な変化があるといわれています。

国際課税や新しい金融商品等複雑な案件が増えているのです。

特に国際課税に関しては,タックスヘイブン税制に関する訴訟,

移転価格税制,租税条約に関する訴訟などが登場しています。

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メールマガジン『ビジネスブックマラソン』でご紹介いただきました

      事務担当者からのお知らせです 

木山泰嗣 著『弁護士が書いた究極の文章術』が、メールマガジン『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』でとりあげられました。

“土井も仕事がら、たくさんの文章術の本を読んでいますが、本書ほど、文章が苦手な人に最適な本も珍しいと思います。”

本書の記載内容、目次なども詳細にご紹介いただきました。

弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28

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源泉徴収義務の追徴課税と求償の問題(その4)

更新に少し間が空いてしまいましたが,前回の続きです。

退職金を支給した「会社」が,源泉徴収義務の存否を

「国」と税務訴訟で争う場合。

「会社」が敗訴し判決が確定したとしても,この判決の効力は,

退職金をもらった本来の納税義務者(「役員」)には及びません。

国との税務訴訟で「退職所得」でないと判断されたので,

「追徴課税分を払ってください」と「役員」に求償したとしても,

「いやいやその判決の効力は私たちには及びませんよ」として,

拒絶されるおそれがあるのです。

最高裁判決が,「納税告知処分の取消訴訟の効力は,

本来の納税義務者に及ばない」と判示しているからです。

拒絶された場合,「会社」が「役員」に求償訴訟をし,

この訴訟の中で再度「退職所得」かどうかを争うことになります。

しかし,これって同じ争いですよね(内容的には)。

そこで,予めこうした事態を回避するために,

「会社」が「役員」に「訴訟告知」をしておく。

この点は,前回,お話しました。

もっとも,実際には「訴訟告知」をしないケースも多いです。

「会社」と「国」との間の税務訴訟の判決で判断された内容は,

別の当事者が争ったとしても,よほど新証拠がない限り,

判断が変わるということは,「実際には,ない」からです。

最高裁判決であればよりそういえます。

「法的な問題」と「実際の問題」をわけて考えるとよい場面です。

こうした両面をみることができるのは,やはり専門家です。

1 「法的な問題」としてはこうなる。

2 もっとも,「実際の問題」としては,こうする方法もある。

過去の判例や税務の先例を前提にした上で,

「本件にどのように取り組んでいくか?」

これを考えていくことが大切です。

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源泉徴収義務の追徴課税と求償の問題(その3)

「その2」の続きです。

源泉徴収義務者である会社が国と訴訟をして敗訴しました。

納税告知処分の取消訴訟をしたものの,請求棄却でした。

この場合,判決の効力は本来の納税義務者には及びません。

退職所得ではなく給与所得であると判決で認定された。

にもかかわらず,追徴された給与所得と退職所得の差額を

本来の納税義務者である退職者(被支給者)に求めた場合,

「私にはその判決の効力は及んでいません」といえるのです。

となると,求償請求の民事訴訟を起こす必要がでてきます。

そして,理論的にはこの訴訟で,再度,退職所得かどうかを

裁判所に判断してもらうことになります。

しかしこれでは実質的には当事者をかえて同じ内容を訴訟を

繰り返すことになってしまいます。

こうした二度手間を防止する方法があります。

それが「訴訟告知」という方法です。

納税告知処分の取消しを求めた国との訴訟の係属中に,

本来の納税義務者である退職者(被支給者)に参加を求める。

これが訴訟告知です。

仮に訴訟参加をしない場合でも,敗訴判決の効力を,

被告知者に及ぼすことができます。

こうすれば敗訴しても求償の際に二度手間をしないで済みます。

実際にそこまでするべきかについては,次回お話します。

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新刊のご案内 『弁護士が書いた究極の文章術』

今日は税務訴訟とは直接関係のない個人的な記事になります。

予めご了承ください。

昨日,拙著(ビジネス書・四六版・並製本)が発売されました。

まずはそのご報告をさせていただきます。

41lroikcf8l__sl500_aa240_タイトルは『弁護士が書いた究極の文章術』(法学書院)です。

次のサブタイトルもついています。

「誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28」

本書はタイトルのとおり「文章の書き方」の本です。

「文章の書き方」が書けるほどの文章を私が書けているのか

あやしいところもあるかもしれませんので,

細かい技術は取り上げていません。

この本は『弁護士が書いた究極の勉強法』という拙著を

お読みいただいた読書の方から多くのご要望をいただき,

筆をとることになったという経緯がございます。

当初は「文章術」など書けないのでとお断りしたのですが,

いつものごとくエッセイ風の読み物でもいいのであれば,

と考え直し,出版社からの依頼をお引き受けしました。

コンセプトはひたすら「読み手」の側に立って書くということです。

書く側は,思いをこめて丁寧に文章を書くものです。

けれど,読む側は,

どれほど時間をかけて読んでくれるか保障はありません。

忙しい中で,さっと眺められて終わりかもしれないですし,

賑やかな喫茶店でコーヒー片手に読まれるかもしれません。

静かな落ち着いた環境でじっくり読んでもらえる保障はない。

それでも伝えたいことを伝えるのがビジネス文書の目的である。

という考え方を前提に,私なりのヒントを28個書いたものです。

ご興味がある方は書店などで眺めていただけますと嬉しいです。

ご感想もお待ちしております。

見本段階でお読みいただいた方のご感想では,

「堅い本かと思ったら読みやすかった」

「法律家の文章は難しいイメージがあったけど違った」

という印象を持たれた方が多かったようです。

ベストセラー作家の中谷彰宏さんからも、

「「読者は,忙しい」「読者は,予測しながら読んでいる」という

ところが,面白かったです。」というご感想をいただきました。

ありがとうございます。

中谷彰宏さんは800冊以上のご著書を書かれている方で,

私がビジネス書を書くにあたり影響を受けた大先生です。

すぐにご感想までいただき,とても嬉しかったため,

ご紹介させていただきました。

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源泉徴収義務の追徴課税と求償の問題(その2)

昨日,源泉徴収義務に関する次の判例を紹介しました。

最高裁第一小法廷昭和45年12月24日判決

この判決によると,源泉徴収義務者が納税告知処分を争い,

国との間で処分取消訴訟をし,敗訴判決となったとしても,

その訴訟の結果は本来の納税義務者には及びません。

会社としては,判決で源泉徴収義務があると判断されたので,

被支給者に対して求償することを考えるでしょう。

この場合,被支給者が応じてくれれば問題ありません。

問題は,「自分はその訴訟には参加していない。」

「源泉徴収義務はなかったはずだ。戦い方がわるかった」

というような主張をされ,求償を拒絶された場合です。

このとき,「いや国と訴訟をして争ったけど,源泉徴収義務が

あるという判断が出たんですよ」といったとしても,

さきほどの最高裁判決があるため,本来の納税義務者である

被支給者にはこの判決の効力は及んでいません。

つまり求償請求に対して,ご質問の監査役サイドからは,

「もともと退職所得であり,源泉徴収で追徴された税額は

本来発生しないものだ」として争うことも可能なのです。

これでは国と争って判決が出たのに,同じ内容の訴訟を

今度は本来の納税義務者との間でまたすることになります。

それを防止する方法については,次回お話します。

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源泉徴収義務の追徴課税と求償の問題(その1)

(ご質問)

代表取締役が監査役になる際に支給した退職金を,

当社は「退職所得」であると判断して源泉徴収をしました。

ところが,所轄税務署から「給与所得」であるとして,

納税告知処分を受け,追徴課税をされました。

この処分の取消しを求めて提訴する予定ですが,

もし当社が敗訴した場合,追徴課税された税額を

退職金の被支給者(現監査役)に求償できませんか?

(ご回答)

納税告知処分を受け,追徴で発生した源泉徴収税額は,

本来は納税義務者(被支給者)が負担すべきものです。

源泉徴収は,予め支払いの際に天引きするものですが,

後に処分を受けた場合には,求償することができます。

根拠条文は,所得税法222条です。

したがって,源泉徴収義務があるとして納税告知処分を

受けた会社が,その取消しを求める訴えで敗訴した場合,

本来の納税義務者である被支給者に求償することが可能です。

ここで問題になるのは,次の点です。

国と源泉徴収義務者との訴訟の結果が,本来の納税義務者

(被支給者)にも及ぶか?ということです。

この点については,最高裁判決があります。

最高裁第一小法廷昭和45年12月24日判決です。

この判決で,訴訟の結果は本来の納税義務者には及ばない。

と判示されています。

では,その効果を及ぼしたい場合はどうすればよいか?

この点と続きは,次回お話いたします。

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税務訴訟の控訴審は続審制?

先日新聞記事を読んでいたら、5月から始まる裁判員について、

控訴審ではどうなるのかということが書かれていました。

スタートが目前に迫ってきた裁判員制度ですが、

裁判員の方がジャッジをするのは1審に限られています。

ということまでは、まだあまり考えられていないようです。

日本の裁判は「三審制(さんしんせい)」が採られています。

1審の判決では負けたけど、控訴したら控訴審では勝った。

さらに上告したら最高裁では負けた。

という逆転に次ぐ逆転ということもある世界です。

とりわけ税務訴訟のように判断の難しい事件については、

逆転劇が起こることが多いです。

裁判員が関与するのは「刑事事件」に限られます。

「民事事件」や「行政事件」は対象外です。

そして、裁判員がジャッジをした1審の判決に対して、

当然ながら当事者は控訴をすることができます。

控訴があった場合、控訴審(高裁)は裁判官が判断します。

一般国民である裁判員は控訴審には関与できません。

もっとも、刑事事件の場合は、地裁の判断に重みがあります。

それは訴訟制度上、刑事事件の控訴審は「事後審(じごしん)」

であると解されているからです。

「事後審」というのは、1審の判断に誤りがないかについて、

要件に従って点検のみをするものです。

これに対して、税務訴訟のような民事事件・行政事件では、

控訴審は「続審(ぞくしん)」だと解されています。

1審で判断が出たものの、控訴審でその続きをするというもの。

つまり、新しい証拠は基本的には自由に出せますし、

新しい主張も基本的には自由にできます。

いったん1審で判決が出たものの、控訴がされた場合には、

別の裁判官になるものの、続けて審理を行っていく。

これが続審制です。

このように訴訟制度としては、税務訴訟の控訴審は続審です。

もっとも、やるべきことは地裁でやっておくことが重要です。

とりわけ証人尋問などは、高裁では採用されにくくなります。

当たり前ですが地裁で全力を尽くすことが勝訴の秘訣です。

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『事例詳解 税務訴訟』(清文社)の読み方

当事務所執筆の『事例詳解 税務訴訟』が発売されました。

本の概要については、先日お伝えしました。

専門分野の情報というものは、なかなか得られないものです。

ある程度書籍が出ている分野でも、

体系書や判例評釈くらいしかないものも多いと思います。

『弁護士が書いた究極の読書術』(法学書院)で書きましたが、

本には「無限の宝」が眠っていると私は考えています。

本に眠っている「宝」は発掘の仕方次第で無限に得られます。

発掘の仕方というのは、読み方(読む目的)をいうのですが、

『事例詳解 税務訴訟』には次のような読み方が考えられます。

1 税務訴訟の実情を知る

2 税務訴訟の流れを知る

3 税務訴訟で勝つための方法を知る

4 税務訴訟で出される証拠を知る

5 税務訴訟を担当する弁護士の考え方を知る

6 勝訴した税務訴訟で採られた戦略を知る

上記5つは一例に過ぎません。

判例解説編では、次のような読み方が考えられます。

①平成15年以降の重要租税判例を概観する

②平成15年以降の重要租税判例の事案を知る。

③平成15年以降の重要租税判例の結論を知る

判例解説編は2~3頁でまとめらているため、

短時間で多くの判例をみることが可能です。

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信義則に反する課税処分は取り消されるか?(2)

課税処分が信義則に反するとして取り消されるためには,

次の5要件を満たす必要があると,最高裁は判示しています。

最高裁第三小法廷昭和62年10月30日判決です。

①税務官庁が納税者に対して公的見解を表示したこと

②納税者がその表示を信頼しその信頼に基づき行動したこと

③その後にその表示に反する課税処分が行われたこと

④そのために納税者が経済的不利益を受けることになったこと

⑤納税者が税務官庁の表示を信頼しその信頼に基づき行動した

この要件だけをみると厳しい要件にはみえないかもしれません。

しかし,この最高裁判決以降の裁判例では,実際には,

この要件のあてはめを厳格に行っています。

そのため,信義則違反を理由に課税処分が取り消された例は,

見当たりません。

どうして,この要件のあてはめが厳格なのか?

特に大きなポイント(壁)となっているのが,次の2要件です。

①税務官庁が納税者に対して公的見解を表示したこと

④そのために納税者が経済的不利益を受けることになったこと

具体的には,次のとおりです。

まず,①の要件については,「公的見解の表示」という点です。

通達などで明確に書かれていた見解があって,

それが後に誤りであると判明したような場合であれば,

「公的見解の表示」にあたる可能性があります。

ところが,税務署の職員が自らのミスで誤指導をした場合は,

当該職員の判断に誤りがあったというだけで,

「公的見解の表示」があったとはいえないことになります。

そこで,まずこの①要件がハードルになっています。

また④の「経済的不利益」については,次の問題があります。

つまり,課税処分が客観的に適法であるのであれば,

税務署職員が誤指導をしていたとしても,

その課税処分で追徴される本税の税額は,④に当たらない。

こういう判断が裁判所でなされていることです。

これは他の納税者との平等・公平という観点が理由です。

誤指導はあったのかもしれないけれど,

その事実であれば,他の者は課税をされる。

それと同じように課税しないと,租税平等主義に反する。

こういう考え方があるのです。

そのため,「経済的不利益」というのは,課税処分の本税以外に

具体的な損害が発生していなければならないことになります。

以上が,いまの判例(裁判所)の考え方です。

果たしてこうした判例実務の考えで妥当なのかについては,

また改めて,お話したいと思います。

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信義則に反する課税処分は取り消されるか?

(ご質問)

税務署職員の指導内容に従い確定申告をしたところ,

実は指導が誤っていたとして,更正処分を受けました。

税務署職員の指導を信頼して確定申告したわけですから,

信義則違反で,この更正処分は違法ではありませんか?

(ご回答)

「信義則(しんぎそく)」というのは,民法上の原則です。

民法1条2項には,次のように書かれています。

「権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行わ

なければならない。」

これを,信義則と呼んでいます。

私人間では,相手の言動を信頼して行動し,その結果損害を

被ったような場合には,信義則違反の問題が生じます。

これは禁反言(きんはんげん)の法理とも呼ばれるもので,

1度いったことを覆すようなことは後からしてはいけない。

こういう常識的な考え方です。

一般の感覚からすれば,対税務署の場合でも同じでしょう。

むしろ税務署の指導であれば,より信頼するものだと思います。

ところが,現行の裁判実務では,

課税処分に信義則を適用することには極めて消極的です。

最高裁第三小法廷昭和62年10月30日判決があるからです。

この最高裁判決以降,課税処分が信義則違反とされたものは,

見当たりません。

それは,次の要件を満たす必要があると判示されたからです。

①税務官庁が納税者に対して公的見解を表示したこと

②納税者がその表示を信頼しその信頼に基づき行動したこと

③その後にその表示に反する課税処分が行われたこと

④そのために納税者が経済的不利益を受けることになったこと

⑤納税者が税務官庁の表示を信頼しその信頼に基づき行動した

ことについて納税者の責めに帰すべき事由がないこと

この5要件があると,なぜ信義則が適用されにくくなるのか?

については,次回またお話いたします。

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国家賠償請求と消滅時効

(ご質問)

5年前,税務署の誤指導によって経済的損失を被りました。

国家賠償請求訴訟をしたいのですが,時効ではありませんか?

(ご回答)

税務署職員が誤った指導をし,これによって損害を受けた場合,

その損害賠償請求をするには,国を被告とする必要があります。

国家公務員が職務の際に,過って損害を被らせてしまった場合,

その責任については国が負うことになっているからです。

民法上の使用者責任(民法715条)と似ていますが,

私企業の従業員が不法行為をした場合には,企業のみならず,

従業員にも損害賠償請求をすることが可能であるのと違います。

国家公務員が職務上違法行為をした場合については,

その責任は国が負うことになっているのです。

色々な考え方がありますが,代位責任と解するのが通説です。

こうした国家賠償請求は,いつでもできるわけではありません。

民法上の不法行為に基づく損害賠償請求と同様に,

3年の短期消滅時効にかかります。

国家賠償法4条が「民法の規定による」としており,

民法上,不法行為に基づく損害賠償請求権について,

民法724条に3年の短期消滅時効が定められているからです。

もっとも,その起算点は,「損害及び加害者を知ったとき」から。

誤指導から3年以上たっていても,「損害」が発生してから,

3年経過していないのであれば,時効にはかかりません。

国家賠償請求訴訟の消滅時効では,起算点が重要になります。

なお,国家賠償請求は略して「国賠」(コクバイ)と呼んでいます。

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延滞税が免除される場合とは?

(ご質問)

税務署職員の方に指導に従い確定申告をしました。

が,誤った指導だったとして,更正処分を受けました。

税務署の指導に従ったのに,延滞税までとられるのですか?

(ご回答)

延滞税は,国税に関する法律が定める課税要件に該当する

事実が発生した時に成立するものです。

成立と同時に確定するものとされており,

確定するための特別の手続は不要とされています。

国税通則法15条3項6号に規定があります。

納税義務の成立と同時に確定する税には,延滞税のほかに,

印紙税や源泉徴収による国税があります。

このように課税要件事実が発生するのと同時に発生する

延滞税ですが,制裁的な意味合いがあるため,

誤指導の場合にまで徴収してよいかは,問題があります。

そこで,通達に延滞税を免除する事由が定められています。

「人為による異常な災害又は事故による延滞税の免除に

ついて(法令解釈通達)」(平成13年6月22日付徴管2-35

ほか)という通達です。

これは,国税通則法施行令26条の2が定める免除事由

「人為による異常な災害又は事故」を具体化したものです。

この通達によれば,誤指導の場合,

次の要件を満たせば,延滞税が免除されます。

①税務職員が納税者から十分な資料の提出があったにもかか

わらず,納税申告又は源泉徴収に関する税法の解釈又は取扱

いについての誤った指導を行い,かつ,納税者がその誤指導を

信頼したことにより,納付すべき税額の全部又は一部につき

申告又は納付することができなかったこと。」

②納税者がその誤指導を信じたことにつき,納税者の責めに

帰すべき事由がないこと

上記各要件を満たすに場合には,延滞税が免除されます。

免除される期間は,誤指導の日から,納税者が誤指導である

ことを知った日以後7日を経過した日までです。

したがって,単に誤指導だっただけては免除されず,

上記要件を満たすことを立証する必要があります。

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『事例詳解 税務訴訟』(清文社)の概要

当事務所から新刊が発売されます。

「事例詳解 税務訴訟」(清文社)という著書です。

当事務所のパートナーである

内田久美子弁護士が編集代表のこの本。

本の帯にあるように、類書にはない内容があります。

それは、「著者が実際に携わった税務訴訟の

はじめから終わりまで徹底解説」という点です。

この徹底解説は納税者が勝訴した事件4件を収録。

4件の税務訴訟のはじめから終わりまでを、

合計190ページにわたり書いています。

物事を理解するには体験をすることが1番です。

理論だけを学んでも、実務はわからない。

実体験の積み重ねが「実務感覚」をつくるからです。

ところが、税務訴訟は経験されていない方が多い。

弁護士や税理士などの専門家の方であっても、

税務訴訟に関与したことがない先生が多数だと思います。

本書を読めば、他の本では知ることができない

訴訟のプロセスがわかるよう工夫をしています。

私も、担当をしたストック・オプション訴訟と、

非上場会社の株式の時価が争われた事件について、

執筆を担当させていただきました。

第2章には「判例解説編」があります。

この章では、各税法ごとに主要な税務判例を解説。

具体的には、次の7つの法律に分類して収録。

①行政事件訴訟法

②国税通則法

③所得税法

④消費税法

⑤相続税法

⑥地方税法

⑦法人税法

平成15年以降の重要判例65件を紹介しています。

執筆担当者は、当事務所の7名の弁護士です。

第1章と異なり、1つの事件について、

「事案の概要」、「争点」、「結論」がすぐわかるよう

1件を2~3頁くらいでコンパクトに解説しています。

最新の重要「税務判例」を、すばやく知りたい方などに

強い味方になると思います。

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