« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010年1月

Wednesday READING-No.40-城山三郎=平岩外四「人生に二度読む本」(講談社)

みなさん、こんにちは。弁護士の木山です。

今週ご紹介する本は、

城山三郎さんと平岩外四さんとの「対談」をまとめた本です。

お二人とも2007年に亡くなられていますが、

この本は2005年に刊行された本が、

今月になって単行本として発売されたもののようです。

全部で12冊の本について、あらすじと、

その本を素材にしたお二人の文学談義になっています。

読んだことがない本でも、

あらすじでダイジェストがわかるため、

対談に入りやすくなるよう工夫がされています。

夏目漱石の「こころ」や、太宰治の「人間失格」。

だれもが知っている本ですが、

子どものころに読むのと、

大人になってから読むのとで、印象が変わってきます。

人生経験を積むにつれ、本の深い意味がわかるようになる。

そういう本が「いい本」であり、

繰り返し読むべき本なのだと思います。

昔読んだ名作をもう1度読みたい!と思いつつ、

時間がなく読めない方も、

この本1冊を読めば、原典を読んだ気分になれます。

すべて対談なので、とても読みやすいですし、

偉大なお二人の思考に触れることができる本です。

|

「判例解説 税理士の損害賠償責任」(大蔵財務協会)

「21世紀に入ってから,およそ10年が経とうとしているが,

その間に

税理士が依頼者から訴えられるケースが激増したように思う。

あるいは訴えられないまでも,依頼者とトラブルになった,

あるいはなりそうだという税理士からのご相談は,

その何倍もの数にのぼる。

その背景には,依頼者側の変化,

すなわち,権利意識が高まったことや,

インターネットの普及により情報収集が容易になったこと,

あるいは取れるところから少しでもお金を取りたいという

懐事情などがあるかもしれない。

一方,税理士側はどうかというと,10年前と変わらず,

無防備な方が大変多いように思われる。…」

当事務所のパートナー弁護士で,

標題の著書の編集代表である

内田久美子弁護士の「はしがき」のさわりです。

本書は,いわゆる「税賠(ぜいばい)」といわれる分野,

つまり,税理士の先生が依頼者から訴えられたケースについて,

合計50の判例について,詳細な検討を行っています。

並製本(ソフトカバー)で,ページ数は,約700頁あります。

単なる判例解説にとどまらず,紛争(訴訟)にならないためには,

どのような点に気をつければよいかについても解説しています。

事後的に「判例」を分析し,

事前の「予防策」についても検討するものです。

わたしも,いくつかの判例解説について執筆を担当しています。

手前みそですが,税賠の事件で多数の実績を残している,

内田久美子弁護士が編集代表をした,

他にない判例解説集になっていると思います。

新刊のご案内でした。

|

文章の品格

作家であり,書誌学者の林望さんによれば,

平仮名が多い文章は「白っぽい」といい,

漢字が多い文章は「黒っぽい」と表現するそうです。

そして,「現代では,文章をできるだけ白っぽく書くのが主流で,

とくに“携帯小説”などに代表される現代的作品になるほど

文章は白っぽくなる傾向が顕著」だそうです(70頁)

裁判所が書く判決文も,最近はかなり「白っぽい」ですが,

昔のものになると,「真っ黒」です。

|

税務署職員の誤った指導に「注意義務違反」(過失)が認められた事例

担当していた国家賠償請求訴訟で,昨年高裁判決が出ました。

税務署職員の誤った指導(誤指導)にしたがって,

確定申告をし,期限内に納税もしていた方が,

あとから指導は間違いだったとして追徴課税をされました。

最初から正しい指導があれば,

負担する必要がなかった損害について

国に賠償を求める訴訟を提起したものです。

結論は請求棄却でしたが,誤指導をした税務署職員に,

「注意義務違反」(過失)が認められました。

税務職員の誤指導事案が訴訟になることは多いですが,

過失が認められたのはおそらく初めてだと思います。

この事件について,論文を執筆しています。

過去の判例と比較した分析を行う予定です。

掲載雑誌や発売時期などについては,またお知らせいたします。

|

Wednesday READING-No.39-齋藤孝「5分で「やる気」が出る賢者の言葉」(小学館101新書)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

今週ご紹介する本は,齋藤孝さんの本です。

齋藤孝さんは,「不合格コンプレックス」があるそうです。

大学受験に失敗し浪人され,

大学院では大事な論文を2度落とされ,

トラウマになっていたそうです。

30代になってようやく自ら「不合格コンプレックス」と

名付けられた齋藤さんは,

「コンプレックスの持つエネルギーを活かさない手はない」

といいます(62頁)。

齋藤さんの本が面白いのは,こうしたご自身の体験に,

偉大な人物の紹介と引用があることです。

コンプレックスについては,心理学者フロイトを引用しています。

カミュ,ファーブル,ドストエフスキー,坂本龍馬,手塚治虫など

33人の偉人の言葉。

それに齋藤孝さんのユニークな考えがミックスされ,

不思議なエネルギーがわいてくる本です。

|

役員報酬と税務訴訟

2月8日(月)みずほ総研で役員報酬と税務訴訟について、

セミナーを行います。

http://www.mizuhosemi.com/category/seminar/section/accounting/page/2/

トピックは、役員報酬の「法務」「税務」「税務争訟」「役員規程」。

税務訴訟の経験を活かして、

裁判所で「実際に争いになった事案」を分析しながら、

どのような規程作りが求められるのかなどについて、

お話しようと思っています。

重要なのは、「証拠力」です。

証拠が真価を問われる「究極の場面」は、裁判所です。

裁判で通用するためには、どのような文書を作成すればよいか?

こうした観点から、アプローチします。

また、その前提として、役員報酬の基本的知識についても、

重要判例を多数挙げて、解説をする予定です。

税務訴訟とは、どのようなものなのか?

この点についても、基本から丁寧な解説をいたします。

役員報酬について追徴課税が起こる場面では、

源泉徴収をめぐり、複雑な法律問題、税務問題がでてきます。

実務的な対応・検討事項について、整理いたします。

裁判所の事例をみることで、予防法務の視点がみえてきます。

|

読点はサービス

中村明さんの「文章の技」(筑摩書房)によれば,

「読点はその名のとおり、読みを助けるためのサービスだ」

「読みやすくするために打つのが基本である」そうです(47頁)

どこに読点(「、」)を打てばいいのか?

悩むこともありますよね。

しかし「サービス」のための「読点」、

という立場からすれば、

「正しいか誤りかというよりも、どちらが効果的かが基準になる」

そうです(47頁)。

なかなかわかりやすい視点です。

|

茂木健一郎さんの文章術

茂木健一郎さんの新刊「「読む,書く,話す」脳活用術」

(PHP研究所)によれば,

文章が上達するためには,

とにかく圧倒的な量を書いて練習すること(83頁)

「フロー状態」(脱抑制状態)になって書き上げること(84頁)

勢いのあるスピードで書くこと(92頁)

がよいそうです。

「クオリア」(質感)を重視する茂木さんならではの表現で,

文章術,読書術が披露されています。

「熱」のある本です。

|

ニーチェの言葉

ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの超訳本が出ました。

ディスカヴァー・トゥエンティワンから白取春彦氏の編訳です。

いい言葉がたくさん収録されています。

「きみはそんなことに責任をとろうとするのか。

しかし、それよりも自分の夢の実現に責任をとったらどうだろう。

夢に責任をとれないほど弱いのか。

それとも、きみには勇気が足りないのか。(以下、略)」

(165頁)

など、

いまを生きるわたしたちに響く言葉がたくさんあります。

ニーチェは、「ツァラトゥストラはかく語りき」など、

難解な本が多いイメージですが、

本書は「超訳」かつ、言葉の抜粋。

とても読みやすいです。

|

Wednesday READING-No.38-藤巻幸夫「特別講義 コミュニケーション学」(実業之日本社)

みなさん、こんにちは。弁護士の木山です。

この冬1番の寒さだそうですね。いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は、

テレビでもおなじみの藤巻幸夫さんの新刊です。

タイトルは難しそうですが、内容はとても読みやすいです。

装丁や本の中身もキレイな緑色がシンプルに使われており、

心地よい気分であっという間に読むことができます。

しかしそこに書かれている内容は、とても勉強になります。

伝えたいことは、「森」と「木」と「枝」の話に分けよう(114頁)。

プレゼン資料の「5つのS」は、

①Simple(シンプルに)

②Strong(力強く)

③Sense(センスよく)

④Swim(泳がせて)

⑤Surprise(驚かせる)

(118頁~119頁)

といった具体的なフレームワークも盛りだくさんで、

実践的なノウハウがたくさん書かれています。

それにもかかわらず、心地よい読後感があるのは、

実践的なノウハウだけではなく、心があるからだと思います。

たとえば、関係を深める会話は、相手の体温を上げる

言葉を使って、コミュニケーションを図ることや(42頁)、

地道に、地道に言い続けることの大切さ(168頁)など、

情熱や志を大切にした著者の「想い」が伝わってきます。

とても清々しい気持ちで読めて、非常に勉強になる本です。

|

読書のパワー

楽天ゴールデンイーグルスを2位に浮上させた野村元監督。

野村再生工場」(角川oneテーマ21)によると、

野村克也氏は、読書から「説得力」を得たそうです。

野村氏は、評論家の草柳大蔵氏に読書を勧められたそうです。

「本を読みなさい」と忠告された野村氏は、

「以来、歴史書をはじめとして、政治経済、科学、国際情勢、文学まであらゆる本を読んだ。とくに中国の古典には考えさせられることが多かった」そうです(182頁)。

もっとも野村氏が読書を始めたのは、現役を引退してから。

野村氏いわく、

「私の言葉にいささかでも説得力があるとすれば、それはこのときの読書経験の影響が非常に大きい。選手時代からもっと読んでおけばよかったと後悔することもしばしばなので、選手たちにも読書を推奨している」そうです(182頁ー183頁)。

わたしも子どものころ読まなかった分、大人になってから、

読書を習慣にしました。

1冊や2冊、10冊や、100冊読んでる程度では、

変化はおとずれません。

しかし200冊、300冊、500冊、1000冊…と大量に

読み続けていると、思ってもみなかったパワーを得られます。

論理思考を鍛えるには、読書が1番だと思います。

|

Wednesday READING-No.37-長沢伸也「それでも強いルイ・ヴィトンの秘密」(講談社)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今週ご紹介する本は,ルイ・ヴィトンの秘密に迫る本です。

本書は,著者がすでに出版されていた下記の2冊の本を,

噛み砕いてわかりやすくまとめた本だと紹介されています。

「ルイ・ヴィトンの法則」(東洋経済新報社)

「ブランド帝国の素顔 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン」(日本経済新聞社)

ルイ・ヴィトンの持株会社である

LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)は,

フランスで時価総額が最大の企業。

1854年に創業し,

日本国内に57店舗(百貨店内45店舗。09年10月1日現在),

全世界では430を超える店舗をもち,50のブランドを擁している

いわずと知れた「ブランド帝国」です(30頁ー32頁参照)

そのブランド戦略を,客観的なデータも詳細に紹介しながら,

わかりやすく解説している良書です。

ルイ・ヴィトンが好きな方はもちろん,そうでない方でも,

徹底したブランド戦略をとる企業のルーツ,手法がわかります。

情報が詳細でありながら,読みやすい。優れた1冊です。

|

2010年代の幕開け

あけましておめでとうございます。弁護士の木山です。

2010年の年初、いかがお過ごしでしょうか。

元旦の晴天はとても気持ちがいいものですね。

昨年はたくさんの方々にお世話になりました。

改めて御礼申し上げます。

単著として出版した本は2冊。

弁護士が書いた究極の文章術」(2009年3月)

究極の思考術」(2009年10月)

いずれも重版となり、ご好評いただいているようです。

お読みいただいたみなさま、ありがとうございます。

「弁護士が書いた究極の文章術」は、オアゾ丸善さんの

2009年ビジネス書年間ベスト、ビジネス・スキル分野で、

6位にランクインしたようです。

お読みいただいた方、そして、無名のわたしの著書を、

長い間たくさん置いてくださった丸善さん、

執筆の機会をくださった法学書院のみなさま、

応援してくださった大勢の方々、心より感謝しております。

(参照)

①ビジネス・ブックマラソン(土井英司さんの書評)

http://d.hatena.ne.jp/eliesbook/20090329/1238372743

②オアゾ丸善「オフィス街の本屋さん」(山本佳子さんの書評)

http://book.marunouchi-office.jp/recommend/002176.html

本年は春までは実務書の出版が予定されています。

出版時期からいくと、次の順序の予定です。

①税理士損害賠償責任に関する本(共著・1月予定)

②新司法試験 合格者に学ぶ勉強法(平成22年版)(監修・1月予定)

③小説で読む行政事件訴訟法(単著・3月予定)

④税務訴訟の法律実務(単著・4月予定)

一般の方向けの本は,後半に出版できればと思っています。

いずれも詳細が決まりましたら、またお知らせいたします。

税務訴訟では引き続き、全戦全勝を目指し、

クライアントのみなさまに喜んでいただけるよう、

全力を尽くして参りたいと思っております。

2010年代という新しい時代の幕開けになりました。

新しい時代をみなさまと一緒に切り開いていけるよう、

本年も自己研鑽をしていこうと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

PS 2009年の年間読書数は読了数で524冊でした。

人類の英知である本をこよなく愛する読書家の方々とも、

いろいろ情報交換できればと思っております。

|

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »