« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »

2010年6月

Wednesday READING-No.62-辻仁成「オルセー印象派ノート」(世界文化社)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

今週ご紹介する本 は,絵画と小説が融合した本です。

芥川賞作家の辻仁成さんが,

オルセー美術館の名画をモチーフに書かれた小説です。

各章ごとにカラーで絵が載っています。

その絵にストーリーがのる形で,小説が書かれています。

合計10枚の名画が1つのストーリーを作っています。

絵を鑑賞できて,小説まで読める。

1冊で2度おいしい本です。

ちなみに収録されている絵画は,以下の10作品です。

フェリックス・ヴァロットン「ボール」

アンリ・ルソー「戦争」

エドガー・ドガ「階段を上がる踊り子」

アンリ・ド・トゥール=ロートレック「赤毛の女」

ピエール・ボナール「ベッドでまどろむ女」

モーリス・ドニ「木々の中の行列」

エミール・ベルナール「愛の森のマドレーヌ」

ポール・ゴーギャン「レ・ザリスカン」

クロード・モネ「日傘の女性」

フィンセント・ファン・ゴッホ「星降る夜」

仕事に疲れた夜に,リフレッシュできる本です。

|

「税務訴訟の法律実務」が完成しました。

約1年かけて書いてきた税務訴訟の本が完成しました。

拙著「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)です。

若輩者の著書になりますので、

できる限り、「客観的な情報」を収集しました。

なるべく主観的な記述にならないよう、

最新判例、論文、統計データ等をふんだんに

引用しながら、1冊の本に仕上げました。

「使える実務書」になるようにするため、

既存の税務訴訟の本以上に、

手続的・実務的な部分も詳細に書きました。

①民事訴訟法

②行政事件訴訟法

③国家賠償法

についてもフォローしましたので、

税理士の先生、会計士の先生、弁護士の先生に

とどまらず、手続法を勉強している学生さんにも

勉強になると思います。

企業担当者の方でも、近年重要性が増している

税務訴訟を知っておいて損はありません。

争うか争わないかはともかく、

争う方法があることは知っておくべきです。

詳細は、弊事務所のような専門事務所に任せて

いただくのが1番ですが、それでも、

細かい点や基本的な事項をフォローしたい方が

ガイドブック的にお読みいただくことも可能です。

400頁を書き終える機会とパワーをくださった

すべての方に感謝いたします。

|

Wednesday READING-No.61-谷口勢津夫「税法基本講義」(弘文堂)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

株主総会シーズンでお忙しい企業担当者も多いと思います。

いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は,大阪大学大学院の教授をされている

税法学者,谷口勢津夫先生の体系書です。

今年の3月31日付けで発売された「新しい体系書」です。

税法というと,

東京大学名誉教授の金子宏先生の「租税法」(弘文堂)が

学生さんにとっても,実務家にとっても,スタンダードです。

権威ある教授の著書で,毎年,最新判例も盛り込まれるなど

改訂も多いため(現在,第15版),非常に詳細です。

毎年ボリュームが増え,現在は930ページあります。

こうしたなか,本書は,税法を基礎から学ぶ人にとって,

手軽なページ数(455頁),かつ基礎情報が網羅されています。

読んでみると,必要事項がコンパクトにまとめられており,

実務家にとっても,非常に読みやすく,使い勝手が良いです。

税法の用語が,ゴシックで記されているなど,メリハリもあり,

「骨太のテキスト,誕生!」という帯のキャッチコピーのとおり,

単にわかりやすいだけでなく,深い記述がなされています。

税法を扱う人にとって,非常によい本が「誕生」したと思います。

|

Wednesday READING-No.60-倉島保美「書く技術・伝える技術」(あさ出版)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

今週ご紹介する本 は,「文章の書き方」に関する良書です。

うすい本で,あっという間に読める本ですが,

この本がうたっている1つのコンセプトは,奥深いです。

それは,「メンタルモデル」という考え方です。

「メンタルモデル」という考え方は,文章の書き方を変えます。

それは,文章が「書き手」主導ではなく,

「読み手」主導であることを教えてくれるからです。

「読み手」は,次にくる文章を「想像」しながら読んでいます。

これを倉島さんは「メンタルモデル」とネーミングしています。

そして「読み手」の描く「メンタルモデル」に沿って,

それをぶちこわさない形で,文章を書いてあげることが,

もっとも読みやすく,伝わる文章なのだと説かれています。

拙著「弁護士が書いた究極の文章術」(法学書院)でも,

この本をコラムでご紹介させていただきました。

文章のセミナーをするときにも,必ずおすすめしています。

いままでの「発想」が,がらりと変わる本です。

現在,「書泉グランデ」さんの3階で開催中の,

わたしの本のフェアでも「おすすめ本」として陳列されています。

6月30日までやっています。

実物を書店で手にとられてみる機会にもなると思います。

http://www.shosen.co.jp/hp/fair/fair.html

ビジネスなどで文章を書く際に,

「うまく書けない」と悩まれている方には最高のテキストです。

「隠れた名著」をご紹介させていただきました。

|

「小説で読む行政事件訴訟法」の著者インタビュー&ブックフェアのご案内

「税理」6月号(ぎょうせい)に掲載された記事をアップしました。

「小説で読む行政事件訴訟法」の著者インタビューです。

http://www.torikai.gr.jp/writing/pdf/etc_zeiri_201006.pdf

この「小説で読むシリーズ」と,

「弁護士が書いた究極の~」シリーズの

ブックフェアが「秋葉原」の2店で開催中です。

①有隣堂さん

 ヨドバシカメラ7階の「法律書」「民法」の棚前の平台。

②書泉ブックタワーさん

また,先月から開催中の「神保町」でのフェアも開催中です。

③書泉グランデさん

 3階「法律書・ビジネス書」レジ前。

 おすすめ本18冊やCD特典付きです(サイン本は品切れ)。

④三省堂さん(神保町本店)

 3階下りエスカレータ前の法律書コーナーの平台

 (サイン本あり・ただし先着)。

なお,④三省堂さん(神保町本店)では,

お買い求めいただいた方に特典(CD)が置かれる予定です。

昨年秋に放送されたUSENラジオ

「ビジネス・ステーション」を収録したCDです(50分番組)。

「究極シリーズ」にいう「究極の意味」など,

拙著について,わたしが対談形式で語っているものです。

(インタビュアーは,せいけゆうほうさん)

書泉グランデさんにある特典CDとは別のものです。

お近くにお越しの際には,ぜひお立ち寄りください。

またふだんはUSEN放送を聴けない方も,

フェア期間中のみの非売品ですので,

CDでお聴きいただければ嬉しく思います。

感想もお待ちしております。

|

Wednesday READING-No.59-酒井克彦「行政事件訴訟法と租税争訟」(大蔵財務教会)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

雨の季節になりましたが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は,税務訴訟の本です。

著者は,酒井克彦先生です。

酒井先生は,国税庁長官官房,課税部,税務大学校等での

勤務をされた後,現在は国士舘大学の教授であり,

その他の大学等でも租税法の講師をされている方です。

アコード租税研究所の所長をされるなど,

ご多忙であるにもかかわらず,税務専門誌での連載も多く,

精力的にこの分野でご活躍されている先生です。

http://www.at-i.info/greeting.html

本書は,その酒井先生が,4月に出版された新刊です。

全924ページにわたる壮大な体系書になっています。

最大の特徴は,行政事件訴訟法の逐条解説をするなかで,

税務訴訟(租税争訟)を解説する形式を採っている点です。

行政事件訴訟法は,行政事件全般に適用される法律で,

税務訴訟だけに適用される法律ではありません。

しかし本書は,行政事件訴訟法の1条から46条までの

全条文をひとつひとつ順番に取り上げたうえで,

その条文について「税務訴訟」で問題となる点を取り上げ,

詳細な解説をされています。

逐条形式なので辞書的にも利用することができます。

税務訴訟に関する最新の議論もふんだんにフォローし,

学説・裁判例をここまで詳細に解説した書籍は,

他にはないと思います。

酒井先生は,3月にも「附帯税の理論と実務」(ぎょうせい)を

出版されており,いずれもご丁寧にご献本してくださいました。

この場を借りて改めて酒井先生に御礼申し上げるとともに,

「税務訴訟(租税争訟)」に関心のある方に

本書の素晴らしさを知っていただければと思います。

|

「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

ようやく「税務訴訟」の体系書が私のもとを離れました。

長期間にわたり執筆,ゲラ校正をしてきた同書も,

今月下旬には発売になりそうです。

http://www.koubundou.co.jp/books/pages/35476.html

若輩者ながら,400ページの体系書ができました。

税務訴訟について,これまでの経験を活かし,

かゆいところまで手が届く詳細な解説書にしました。

脚注も多く,専門家の方に特にお読みいたきたい本ですが

(論文や最新判例もふんだんに引用しましたので,

ロースクールの先生や大学の先生,研究者の方々にも,

実務家が書いた体系書として,

研究対象にしていただければと思っております。)

税務訴訟を知るうえで不可欠になる

訴訟法(民事訴訟法・行政事件訴訟法)の基礎知識も,

十分にページをとって解説しました。

訴訟法に馴染みがない税理士の先生,会計士の先生にも

十分にお役に立てる本になっていると思います。

税法のみならず,民事訴訟法や行政法を勉強されている

ロースクール生,法学部生が読まれても,

十分に学習できるよう基本からの解説を心がけました。

発売までいましばらくお待ち下さい。

いままでの本で1番,時間がかかりました。

気の遠くなるような作業でしたが,その分,

読まれる方には「目次」や「事項索引」などをご利用いただき,

辞書的に「使って」いただければ嬉しいです。

詳細はまたアナウンスいたします。

|

国家賠償法に基づけば最大20年の請求ができるとの最高裁判決について

昨日,過納金(過大に納めすぎた税金)について,

地方税法によれば5年分しか還付の請求ができないものの,

国家賠償法に基づく損害賠償請求であれば,

20年分の請求ができることを認める最高裁判決があったと,

報道されていました。

http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010060301000728.html

(最高裁第一小法廷平成22年6月3日判決)

最高裁判所のホームページにある判決をみると,

次のように判示されています。

「たとい固定資産の価格の決定及びこれに基づく固定資産税等の賦課決定に無効事由が認められない場合であっても,公務員が納税者に対する職務上の法的義務に違背して固定資産の価格ないし固定資産税等の税額を過大に決定したときは,これによって損害を被った当該納税者は,地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続きを経るまでもなく,国家賠償請求を行い得るものと解すべきである。」

今回の判決は,地方税の事件でしたが,国税の場合でも,

同じ論理がとおるものと思われます。

国税に関しても,減額更正ができる期間が5年です。

最高裁判決は,国家賠償法に基づく請求であれば,

それ以上の請求ができる点を認めた点で画期的です。

もっとも,国家賠償法上の請求が認められるためには,

様々な要件を満たす必要があります。

注意義務違反(故意または過失,違法性),

相当因果関係などです。

課税処分が取り消されるような違法性がある場合でも,

国家賠償法上の請求が認められるとは限りません。

ただし,弁護士としては,今後,

国家賠償法による請求を検討する余地が増えたといえそうです。

|

Wednesday READING-No.58-反町勝夫「わかる!楽しい!法律」(東京リーガルマインド)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

早いものでもう6月。いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は,

法律を勉強したいと思っている初学者の方には、

うってつけの本です。

著者は,「LEC(れっく)」の代表,反町勝夫さんです。

学生時代に,法律学ぶことに苦労した経験があるわたしは,

「法律の基本」がわかりやすく学べる本は,なぜないのか?

と,学生時代から疑問に思っていました。

いまでは法律家になり,本を書ける立場になりましたが,

いまだに良書がないため,

実は現在わたしも「法律のわかりやすい本」を執筆中です。

そんな中で,この本を手に取り,

「これはすごい」と思いました。

ベストセラー作家の細野さんばりのイラスト入りで,

読みやすいレイアウト,文章,

しかも,「ふりがな」つきの親切設計が貫徹されています。

パラパラめくるだけでも,とにかく読みやすいです。

「はじめに」の言葉にも,ぐぐぐと惹かれます。

「みなさん,法律というと,あのむずかしい六法

が浮かんで,暗い気持ちになってしまいませんか。

そんな気持ちを取り去るために書きました。」

たしかに明るい気持ちになる人はいないかもしれません。

続けて,反町さんはこういいます。

「現代において,法律は血液と同じ役割です。

体内が血液で満たされて正常に機能しているように,

私たちの生活は,法律で満たされているのです。」

ここまでは,どなたでも,

「それは知ってる」と思われるかもしれません。

そのあとがすごいです。

「法律は,災難を避けるための導きの星です。

暗闇の道を導いてくれる灯火なのです。」

「この本を読むと,法律が親友のように見えてきます。」

「「導きの星」である「法律」と親友になれる本」。

法律をこれから勉強したい方,

勉強しているけれど,難しくて進まない方,

この本は一読の価値があると思います。

|

« 2010年5月 | トップページ | 2010年7月 »