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2010年8月

Wednesday READING-No.70-山田雅夫「図解力の基本」(日本実業出版社)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

猛暑が続いていますが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は,「図の描き方」をテーマにした本です。

プレゼン資料,社内報告書,会議の議事録,メールなど,

文章を書く機会が多い現在のビジネスシーンでは,

わかりやすい文章を書けることが重要なスキルになります。

ただ,わかりやすい文章を助けるものとして,

わかりやすい図があれば,より素晴らしい文書になります。

本書によれば,「図解」のメリットには次の5つがあるそうです。

1 スピーディに理解できる

2 全体を把握できる

3 むずかしいことを簡単に説明できる

4 分析から発想まで幅広く使える

5 思考プロセスを「見える」化できる

「図解はビジネスの強力な手段」であり,

「図解はビジネスパーソンにとって必須のスキル」だという

著者が,学校の授業では教えてくれない図の描き方を

わかりやすく教えてくれる本です。

横書き,二色刷り,もちろん「図解」入りで,

具体的なノウハウがたくさん書かれており,参考になります。

税務訴訟で裁判所に提出する書面でも図を描くことがあります。

むずかしい税法の条文や判例などの論理を文字だけで

並べても忙しい読み手(裁判官)の方に,

ぱっとみて,ぱっと理解していただくためには,

わかりやすい文章にとどまらず,

ときにビジュアル化(図解化)も必要だと考えているからです。

気軽に読めて,実践度の高い本です。

※ 「文章はサービスである」ことを書いた拙著(現在,6刷)

   木山泰嗣「弁護士が書いた究極の文章術」(法学書院)

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

【WEBマガジン】

木山泰嗣「後悔しない大人のための読書論」(ジンジュール)

http://www.jinjour.jp/column/22883.html

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Wednesday READING-No.69-小宮一慶「ぶれない人」(幻冬舎新書)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

スーパー熱帯夜が続く毎日ですが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は,経営コンサルタントであり,

ベストセラー作家でもある小宮一慶さんの新刊です。

タイトルにあるように「ぶれない」ことがテーマの本です。

小宮さんは,政治家や経営者がぶれることが多いといいます。

しかし信念のある人は「ぶれない」といいます。

「ぶれない人」の定義を,小宮さんは,次のようにしています。

“自分の信念をしっかり持ち,それを貫いている人”(7頁)

ぶれないことは,見方によっては「頑固」という面があります。

しかし,信念をもって正しいと信じているのであれば,

それが状況によってぶれるというのはおかしな話です。

もちろんなんでもかんでも頑固一徹では,柔軟性に欠けます。

この点,小宮さんは,次のように明快に述べられています。

「本当の意味で「正しい」信念のある人は,「こだわるべきこと」と「こだわらなくてよいこと」,あるいは,「譲ってはいけないこと」と「譲ってもよいこと」について明確に区別しています。」(80頁)

生き方としての「ぶれない」も重要ですが,

わたしの専門である税務訴訟でも「ぶれない」ことは重要です。

裁判で勝つには,主張が「ぶれない」ことが原則だからです。

裁判では相手方からの反論が必ずあります。

税務訴訟では国税からのいっけんそれなりに「的を射たような」

反論が理路整然となされます。

それでもこちらの主張が正しいと確信していれば,

堂々と再反論をすることができます。

提訴したときから,口頭弁論が終結するときにいたるまで,

主張を一貫して行うことができます。

この一貫性(ぶれないこと)から「迫力」が生まれ,

説得力ある主張が完成します。

一貫していればそれだけでいい,というものではありません。

その主張が正しいと確信できているからこそ,ぶれないのです。

本書は,「ぶれない人」になるための方法を,多くの書物を読み,

「正しい考え方」を勉強するという正論でまとめています。

派手な方法論ばかりが強調される最近の本のなかにあって,

きわめてまっとうな考え方を提示されており,勉強になります。

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日本経済新聞,日経ビジネスアソシエに掲載がありました。

「日本経済新聞」(8月14日(土)朝刊)の税務訴訟の記事に,

わたしのコメントが掲載されました(「課税処分 不服相次ぐ」より引用)。

 国税当局から税金の申告漏れなどを指摘されて追徴課税された企業が、処分の取り消しを求めて訴えるケースが相次いでいる・・・・・・背景について、税務訴訟に詳しい木山泰嗣弁護士は「企業のコンプライアンス(法令順守)重視に伴う対外的なアピールもあるのだろうが、企業活動や税制の複雑さが増しており、課税処分への両者の見解の相違が広がっている」と指摘する。
 その上で「企業側は、たとえ訴えが認められなくても、審査請求や裁判での司法判断を通じて、納得のいく説明や明確な課税基準を求めたいという意向を示しているのではないか」と分析している。

また,「日経ビジネス アソシエ」最新号(9月7日号)31頁の

「読書術の本 マトリックス」(水野俊哉さん監修)に

拙著「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)が

掲載されました。

http://www.nikkeibp.co.jp/associe/

ご興味がある方は,お読みいただければ幸いです。

○本に眠る28の「宝」を書いたビジネス読書論

 木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

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Wednesday READING-No.68-茂木健一郎「未来を変える議論をしよう」(ポプラ社)

みなさん、こんにちは。

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は、脳科学者であり、

ベストセラー作家の茂木健一郎さんの新刊です。

本書は「議論」=「argue」の大切さを説いています。

「意見が対立して議論となったとき、それはひとつの物事に対して、それぞれが異なる視点をもち、ちがう部分を切り取って提示しあっているということなのです。自分ひとりでは、気がつかなかった側面や考え方を知ることができる。それはまるでさまざまな形のジグソー・パズルのピースー世界に関する理解がより深まるピースが目の前に並べられているような様相になるのです。」(はじめに1頁ー2頁)

元気がないといわれるいまの日本で、

茂木さんは「議論」=「argue」をしようといいます。

そして、いま必要なのは「脱藩」であるといいます。

茂木さんの講演を聴いたことがあるのですが、

そのとき茂木さんは「ディカップル」が

いま1番重要だとおっしゃっていました。

本書にもそのことが書かれています。

組織に属していたとしても、組織に属しながらも

組織から離れて考えてみる、活動してみる。

茂木さんの本にはエネルギーがあります。

わたしたちも負けてはいられません。

横書きで130頁の本、あっという間に読めます。

しかしコンセプト・テーマは奥深いです。

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USENラジオに出演中です。

日曜日(8月15日)まで,USENラジオに出演中です。

チャンネルは「I-28」,「ビジネス・ステーション」です。

今回は「企画」(特に「人生の企画」)をテーマに,

清家ゆうほさんと50分の読書談義をしています。

機会がありましたら,ぜひお聴きくださいませ。

http://music.usen.com/modules/I/content0028.html

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Wednesday READING-No.67-小林秀雄=岡潔「人間の建設」(新潮文庫)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

暑さが続きますが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は,文庫の新刊です。

新刊といっても,対談が掲載されたのは,

1965年で,いまから45年前のこと。

すでにお二人とも故人となられていますが,

世界的天才数学者・岡潔さん(1901-1978)

小林秀雄さん(1902-1983)の対談は,

帯によれば「史上最強の雑談」とあり,

脳科学者である茂木健一郎さんも解説で,

「二人の「知の巨人」が対談した『人間の建設』は,

活き活きとした精神のダイナミズムに満ちていて,

何度読んでも面白く,新たな発見がある。」

と絶賛されています(171頁)。

岡さんは,「矛盾がないというのは感情の満足」

だといいます。これは数学的なことなのですが,

感情の満足が重要だとおっしゃっています。

「知とか意とかがどう主張したって,

その主張に折れたって,情が同調しなかったら,

人はほんとうにそうだとは思えませんね。

…矛盾がないということを説得するためには,

感情が納得してくれなければだめなんで,

知性が説得しても無力なんです。」

(39頁ー40頁)

裁判でも,理屈的には,どちらの主張も立つ。

こういうケースが,実は多くあります。

しかし最終的に裁判官は,どちらかの主張を

採用して,一方の当事者を敗訴させます。

ここにも,この対談のヒントがありそうです。

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

【WEBマガジン】

木山泰嗣「後悔しない大人のための読書論」(ジンジュール)

http://www.jinjour.jp/column/22883.html

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新刊「弁護士が書いた究極の法律力」のご案内

9月上旬に「弁護士が書いた究極の法律力」が発売になります。

「(弁護士が書いた)究極の~」シリーズ(究極シリーズ)第5弾。

内容は,読者の方にとっても,けっして他人事ではない,

身近にある相談事例をもとに

「法の仕組み」を知っていただくというものです。

法律の知識をたくさんご提供するという本ではなく,

「法の考え方」を知っていただく本です。

特に重要なのは,「契約書」の問題だと思っています。

多くの紛争は,根本的には契約から発生しているからです。

そして,「契約」の本質を知っていただくと,

権利の実現方法,不当な要求をされた場合の対処法

などが具体的にわかるようになってきます。

いろいろな場面をお読みいただくうちに,

「法の考え方」が自然と実につくような構成をとっています。

本日は,この本をテーマにUSENラジオの収録がありました。

作成秘話なども少しお話しました。

9月の本の発売後,「ビジネス・ステーション」で放送されます。

今回は,村西勘九郎さんのMCで,ゲストのキムトモさんと

3人でのトーク番組。いつもと違う趣向で,面白かったです。

ぜひ拝聴いただければ嬉しいです。

また近くになりましたら,お知らせいたします。

※ 「究極シリーズ」のロングセラー(現在,6刷)

   木山泰嗣「弁護士が書いた究極の文章術」(法学書院)

※ 新刊/税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 既刊/小説で「税務訴訟」「行政訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

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