Wednesday READING-No.74-中里実=太田洋=弘中聡浩=宮塚久「国際租税訴訟の最前線」(有斐閣)
みなさん、こんにちは。弁護士の木山です。
猛暑から一転、涼しい毎日が続いていますが、
いかがお過ごしでしょうか。
今週ご紹介する本は、「国際租税」をテーマにした専門書です。
近年の追徴課税は、国際税務に関するものが多くなっています。
・タックス・ヘイブン対策税制
・移転価格税制
・国内源泉所得をめぐるもの
・外国税額控除
などが典型的ですが、
これに加えて、課税処分はまだなされた例は聞かないものの
これからの税務問題を考えるうえで、多くの企業が懸案事項
とされているであろう「外国子会社配当益金不算入制度」など
の適用をめぐる問題も登場しています。
昨年から新設された「外国子会社配当益金不算入制度」は、
法人税法23条の2が定めているものですが、判例もなく、
事例で考察をしていくと、法解釈で様々な論点が出てきます。
本書では、こうした新しい諸問題についても、
過去の参考になる先例や、現在の論文等を示しながら、、
突っ込んだ研究がなされています。
近年著名な「国際租税訴訟」の判決の分析も詳細です。
国際租税を取り扱う専門家、企業の方にとって
深い示唆とヒントを与えてくれる良書だと思います。
【税務訴訟の著書】
※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書
木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)
※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品
木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)
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