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2011年1月

Wednesday READING-No.87-原田泰「日本国の原則」(日経ビジネス文庫)

みなさん、こんにちは。弁護士の木山です。

年が明けたと思ったら、1月もあとわずか。

いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は、日本という国について、

歴史を考察しながら、その源を分析をした本です。

帯には「石橋湛山賞」受賞とあります。

文庫で360頁近くあり、分量は多いですが、

問題意識をもって読むと、すっと読める本です。

自由がいまの日本をつくったという論旨です。

たとえば、次のようなことが論じられています。

「江戸時代には、人々は生得の身分に縛り付けられ、自らの望むことをできなかった。それでは、西欧を学び、その技術を自らのものとする人間が足りない。追いつくためには、人間の自由を拡大しなければならない。日本は、自ら身分制秩序を破壊し、人々は自由に仕事を選べるようになった。才能は自由から生まれると理解したからだ。」(348頁)

このように考えていくと、人々の自由を保障し、

個人が幸せを求める権利を保障した憲法には、

実際的にも、大きな意義があるといえそうです。

日本という国と、自由主義との関係などを、

じっくりと考える機会になると思います。

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

【WEBマガジン】

木山泰嗣「後悔しない大人のための読書論」(ジンジュール)

http://www.jinjour.jp/column/22883.html

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新刊ができました(木山泰嗣「勉強が続く人の45の習慣」)。

新刊が完成しました。

「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)という本です。

http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1105998944

勉強がなかなか続かない人や,努力がなかなか報われないと

感じている方に向けて,勉強が続くコツ(習慣)を分析しました。

45個あるので,ひとつでもピンとあるものがあれば,

ぜひ実践してみてください。

みなさまの「飛躍のチャンス」になれば幸いです。

書店に並ぶのは,26日(水)~27日(木)ころになりそうです。

【LEC特別講演(1月29日(土)】

http://www.lec-jp.com/houka/topics/20110129_guidance.shtml

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の文章術」(法学書院)

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武富士事件 最高裁で弁論 逆転判決へ

今朝の朝刊に、税務訴訟で著名な事件、

(武富士の元会長が長男に贈与したことについて

贈与税に関する課税処分がなされ、

住所地が香港か日本かが争われたもの)について、

最高裁で弁論が開かれたことが報道されていました。

最高裁で弁論が開かれるのは、高裁判決を見直す場合です.

国が勝訴した東京高裁判決が破棄される可能性が高いです。

1審は、租税法律主義を貫徹し、納税者が勝訴。

控訴審は、租税回避を強調し、国が勝訴(納税者は逆転敗訴)。

そして、最高裁では、納税者が逆転勝訴,となりそうです。

その場合、国が、2000億円の贈与税(還付加算金含む)を

還付することになります。

長崎年金訴訟、ホステス源泉徴収事件、

ガーンジー島事件など、昨年から、

控訴審(高裁)で納税者が敗訴していたものが

最高裁で逆転して勝訴になるものが増えています。

最高裁が、民主主義の根幹理念であり、

憲法の大原則である租税法律主義を貫いています。

この流れが最高裁だけでは、困ります。

納税者は最高裁まで行かないと、勝てなくなるからです。

憲法の大原則が、高裁にも浸透することを願ってやみません。

【税務訴訟の拙著】

※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

【税務訴訟のセミナー】

2011年2月22日(火)10:00-17:00(みずほ総研)

「近年の「税務訴訟」からみた追徴課税(課税処分)の事前防止策と対応策」

http://www.mizuhosemi.com/22-1333/seminar/hierarchy/president/6054

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「後悔しない大人のための読書論(第9回)」

WEBマガジン「ジンジュール」さんで連載中の

「後悔しないための大人の読書論」(読書コラム)で,

最新の記事がアップされました。

第9回「読書の習慣で「書く力」が鍛えられる?!」

http://www.jinjour.jp/column/23758.html

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Wednesday READING-No.86-松本幸四郎=松たか子「父と娘の往復書簡」(文春文庫)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

厳しい寒さが続いていますが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は,歌舞伎役者の松本幸四郎さんと,

女優の松たか子さんの共著で,最近発売された文庫本です。

タイトルにあるように,父(松本さん)と,娘(松さん)が,

書簡(手紙)をやりとりするという形式の本です。

親子であり,芸の道でプロとして仕事をされているお二人。

その往復書簡は,それぞれの日常生活や仕事のほか,

それぞれの考えをかいまみることができ,興味深いです。

お二人は,この往復書簡がなければ,ここまで,

相手のことを知ることができなかったと書かれています。

手紙のやりとりとなると,むずかしいかもしれませんが,

メールを使えば,親子で自分の考えをぶつけ,

相手の考えを知るといったことができるかもしれません。

芸能人でなく,ごく普通の親子でも同じようにも思います。

そんなことを考えさせられた1冊でした。

さわやかな本です。

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

【WEBマガジン】

木山泰嗣「後悔しない大人のための読書論」(ジンジュール)

http://www.jinjour.jp/column/22883.html

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破産管財人に源泉徴収義務はないとした判決(最高裁第二小法廷平成23年1月14日判決)

破産した会社の元従業員に支払った退職金の所得税について,

破産管財人が源泉徴収をすべきかが争われた税務訴訟で,

最高裁第二小法廷は判決を言い渡されました。

同判決は,国税が勝訴していた第1審・控訴審の判決を破棄し,

破産管財人には,元従業員に支払う退職金について,

源泉徴収義務はないとして,納税告知処分を取り消しました。

(最高裁第二小法廷平成23年1月14日判決)

最高裁判所のホームページによれば,

判決理由は,以下のとおりです(以下,引用です)。

「所得税法199条の規定が,退職手当等(退職手当,一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与をいう。以下同じ。)の支払をする者に所得税の源泉徴収義務を課しているのも,退職手当等の支払をする者がこれを受ける者と特に密接な関係にあって,徴税上特別の便宜を有し,能率を挙げ得る点を考慮したことによるものである(前掲最高裁昭和37年2月28日大法廷判決参照)。
破産管財人は,破産手続を適正かつ公平に遂行するために,破産者から独立した地位を与えられて,法令上定められた職務の遂行に当たる者であり,破産者が雇用していた労働者との間において,破産宣告前の雇用関係に関し直接の債権債務関係に立つものではなく,破産債権である上記雇用関係に基づく退職手当等の債権に対して配当をする場合も,これを破産手続上の職務の遂行として行うのであるから,このような破産管財人と上記労働者との間に,使用者と労働者との関係に準ずるような特に密接な関係があるということはできない。また,破産管財人は,破産財団の管理処分権を破産者から承継するが(旧破産法7条),破産宣告前の雇用関係に基づく退職手当等の支払に関し,その支払の際に所得税の源泉徴収をすべき者としての地位を破産者から当然に承継すると解すべき法令上の根拠は存しない。そうすると,破産管財人は,上記退職手当等につき,所得税法199条にいう「支払をする者」に含まれず,破産債権である上記退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではないと解するのが相当である。」

源泉徴収義務については,昨年,ホステスの源泉徴収でも,

納税者勝訴の判決が言い渡されています

(最高裁判第三小法廷平成22年3月2日判決)。

また,ここ数年,源泉徴収義務をめぐる判決では,

・レポ取引事件(東京高裁平成20年3月12日判決・最高裁第三小法廷平成20年10月28日決定)

・造船会社が契約解除に伴い支払った金員(大阪高裁平成21年4月24日判決)

・執行役員を退任した執行役に支払われた退職金(大阪高裁平成20年9月10日判決)

など,さまざまな事件で,国税が敗訴しています。

源泉徴収は,本来の納税義務者に代わって,民間企業等に,

支払いの際に税の徴収を代行させる制度です。

租税法律主義のもとでは,源泉徴収すべきこと,計算方法が,

明確にわかる法律の条文の手当てが必要だということでしょう。

【税務訴訟の拙著】

※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

【税務訴訟のセミナー】

2011年2月22日(火)10:00-17:00(みずほ総研)

「近年の「税務訴訟」からみた追徴課税(課税処分)の事前防止策と対応策」

http://www.mizuhosemi.com/22-1333/seminar/hierarchy/president/6054

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Wednesday READING-No.85-江崎鶴男「長崎年金二重課税事件 間違ごぅとっとは正さんといかんたい!」(清文社)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

2011年がスタートし,第2週目となりました。

いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本は,昨年最も税務訴訟で話題になった事件,

長崎年金訴訟の補佐人をされた江崎税理士のご著書です。

ドキュメント形式で,1冊の本にまとめられています。

裁判長とのやりとりなども詳細に書かており,興味深いです。

第1回の口頭弁論期日で,裁判長が「二重課税」だと法廷で,

発言したなど,判決からは読み取れない情報が満載。

「続けて裁判長は,被告である国のほうに向きなおり「二重課税の恐れがありますから,税のシュミレーションを出してください」という指示を告げる。私はこれにはびっくりした。まだ第1回目のことである。」(48頁)

江崎税理士は,裁判には勝ったが,

まだまだ終わりではない,とおっしゃっています。

「専門的になるが,実は,株式配当や土地取引にまつわる取得費の引継ぎの問題もある。」(128頁)

最高裁が行った所得税法9条1項15号(現行16号)の解釈が,

年金以外の二重課税について,どのように整理をするのか,

という新しい問題があることを示唆されているのだと思います。

2010年に最も話題となった税務訴訟を追体験できる書籍です。

【税務訴訟の拙著】

※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

【税務訴訟のセミナー】

2011年2月22日(火)10:00-17:00(みずほ総研)

「近年の「税務訴訟」からみた追徴課税(課税処分)の事前防止策と対応策」

http://www.mizuhosemi.com/22-1333/seminar/hierarchy/president/6054

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「法曹になるために必要な勉強法」(LEC特別講演)

1月29日(土)17:00~19:00に,

LEC東京リーガルマインドさんで,

無料の特別講演を行います。

「法曹になるために必要な勉強法」というテーマで,

2つのポイントに絞って,お話をする予定です。

①反対概念と具体例で理解する。

②読み手の立場に立って書く。

http://www.lec-jp.com/houka/topics/20110129_guidance.shtml

今月下旬に発売される予定の

新刊「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)など,

わたしの書籍も展示される予定です。

ご興味ある方は,ぜひご参加くださいませ。

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の文章術」(法学書院)

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Wednesday READING-No.85-藤巻幸夫「ビジネスパーソンの街歩き学入門」(ヴィレッジブックス)

みなさん、こんにちは。弁護士の木山です。

今日から仕事始めという方も多かったと思います。

今年も、毎週水曜日に本をご紹介していきます。

新年最初の1冊 は、藤巻幸夫さんの新刊です。

歩くことをテーマにした本です。

「ビジネスパーソンの」とあるように、

仕事のアイデアなどにつながることなど、

歩くことがビジネスに有益であると書かれています。

「本当のプロや目利きというのは、毎日「反復」をしていると思う。気になるものは素通りせず、立ち止まってじっと見る。その繰り返しからしか高い審美眼は生まれない。」(142頁)

わたしも歩くことを日常の習慣に入れています。

読みやすくて、発想力が豊かになる本です。

【関連書籍】

木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

【WEBマガジン】

木山泰嗣「後悔しない大人のための読書論」(ジンジュール)

http://www.jinjour.jp/column/22883.html

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酒井克彦先生から,拙著「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)の書評をいただきました。

拙著「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)について,

酒井克彦先生(国士舘大学法学部教授)から,

書評をいただきました(クリックで拡大します)。

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(「受験新報」法学書院2011年2月号より)

酒井先生は,国税OBで,現在は租税法の教授です。

税務訴訟で争われるような,租税法の現代的問題について,

多くの論文を執筆されている先生です。

○ブログ「酒井克彦の寝不足でキャッチボール」

http://www.milmil.cc/user/hicorin/

このブログでも以前にご紹介させていただきましたが,

最近では,「行政事件訴訟法と租税争訟」(大蔵財務協会),

「附帯税の理論と実務」(ぎょうせい)を書かれています。

いずれのご著書も,ボリュームのある大著です。

実務的にあたらしい問題を,理論的・体系的な観点から,

鋭い分析をされており,わたしも,

税務訴訟などで参考にさせていただいています。

酒井克彦先生,ありがとうございました。

【税務訴訟の著書】

※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

【税務訴訟のセミナー】

①2011年1月17日(月)13:00-16:00(経営調査研究会)

「不服申立てと税務訴訟の戦略実務」

https://www.bc-seminar.jp/BcSeminar/SeminarUser/SU030003.aspx?link=SU110003&scid=102120000&sid=000001805

②2011年2月22日(火)10:00-17:00(みずほ総研)

「近年の「税務訴訟」からみた追徴課税(課税処分)の事前防止策と対応策」

http://www.mizuhosemi.com/22-1333/seminar/hierarchy/president/6054

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新年あけましておめでとうございます。

あけまして、おめでとうございます。

2011年(平成23年)がスタートしました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

みなさまにとってよい1年になりますよう、

心よりお祈り申し上げます。

本年は昨年よりあたためてきた企画が

開花する運びとなりそうです。

1月~4月ころまでの間に3冊、新刊が出ます。

8月にも新刊が出ます。

どうぞ楽しみにしていただけますと幸いです。

【2011年の出版予定】

○「勉強が続く人の45の習慣」

  (法学書院・2011年1月下旬発売予定)

○「けんぽうくん(仮)(憲法のものがたり))」

  (すばる舎・2011年3月~4月発売予定)

○「ハンコの押し方(仮)」

  (祥伝社黄金文庫・2011年3月~4月発売予定)

○「論理的な文章の書き方(仮)」

  (実務教育出版・2011年8月発売予定)

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