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2011年3月

Wednesday READING-No.95-吉村昭「関東大震災」(文春文庫)

東日本大震災が起きてから、書店では、

地震や原発の本がたくさん売れているようです。

本書 も地震本のひとつですが、記録文学です。

1973(昭和48)年に書かれた本書は、1923(大正12)年

9月1日に起きた関東大震災を、記録に忠実に描いたものです。

地震後、避難をし集まっていた4万人のうち、3万8000人が

火災旋風の犠牲になった旧陸軍被服廠跡地の惨劇で

生存した方のインタビューなども書かれており、

10万人以上の死者が出たおそろしい関東大震災の状況が、

震災の前後を通じて、克明に記されています。

東日本大震災では、

日本人の素晴らしさが諸外国で報道されたといわれています。

しかし本書を読むと、関東大震災後の日本では、

多くの犯罪や強盗団が特に横浜を荒らしたことなど

犯罪が多発したことが書かれており、当時の人々の間に

大きな人間不信が起きたことがわかります。

また、関東大震災が起きる18年前に、

東京帝国大学地震学教室員の今村博士が、

過去の江戸地震は100年に1回の割合で起きており、

50年以内に大地震が起きることを覚悟すべきで、

死者は10万人~20万人だと発表したことに対して、

社会の混乱を防止すべく、

東京に大地震が起きるのは数百年に1度であり、

道路も広く消防機器も改良されているから、

大災害が起きることはないと今村説を罵倒した、

大森博士との地震学論争なども書かれています。

歴史をみる限り、地震は繰り返されています。

今後も、日本では地震が起きるでしょう。

本書を読んで思ったことは、

「地震は繰り返されるが、

人の心は変化している」ということでした。

地震はほぼ周期をもって、この国に繰り返し起きています。

これは歴史的な事実です。

しかしその災害に対して立ち向かう人々の心は、

1923年の関東大震災と比べても、

大きく変化しているということが実感できました。

日本全体が豊かになったからかもしれません。

しかし、震災で傷つく人々の状況は同じはずです。

地震は同じように繰り返し起きていますが、

そこに住む日本の人々の心は変わっています。

ただし、原発事故のように、地震後において、

予測不能の危険が生じるリスクがあることが

今回の震災で具体的に明らかになりました。

地震を止めることはできませんが、

事前に対策を講じることはできるはずです。

今後の日本の防災体制を徹底することが、

これからの大きな課題になると思います。

なお本書には、関東大震災後、東京・横浜では、

地震が起きるたびにおびえて外に飛び出す

人が増えたという記述がありました。

横浜の実家で、生前の祖父(震災時9才)が、

地震がくるたびすぐに外に逃げていたことの理由が、

いまさらながらによくわかりました。

※ 新刊「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

http://www.subarusya.jp/osusume_saishin/osusume_saishin.html

http://www.subarusya.jp/ (すばる舎HP)

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「後悔しない大人のための読書論(第13回)」

WEBマガジン「ジンジュール」で連載中の読書コラム

「後悔しない大人のための読書論」の最新記事が

アップされました。

第13回「小説を読むと,人間を学べる?」

http://www.jinjour.jp/column/29714.html

※ 新刊「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

http://www.subarusya.jp/osusume_saishin/osusume_saishin.html

http://www.subarusya.jp/ (すばる舎HP)

http://www.subarusya-linkage.jp/ (すばる舎リンケージHP)

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動画インタビュー「勉強が続く人の45の習慣」

カンノTV(ユーチューブ)に出演しました。

女優のみやびさんとの対談です。

http://hkanno-j.gyosei.or.jp/kannotv.html

※ 新刊「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

http://www.subarusya.jp/ (すばる舎HP)

http://www.subarusya-linkage.jp/ (すばる舎リンケージHP)

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Wednesday READING-No.94-木山泰嗣「憲法がしゃべった。~世界一やさしい憲法の授業」(すばる舎)

新刊「憲法がしゃべった。」(すばる舎)が発売になります。

http://www.subarusya.jp/(すばる舎ホームページ)

先週半ばから,いくつかの書店では先行発売がありましたが,

これから各書店に置かれることになると思います。

今日は「1票の価値」の最高裁大法廷判決もあるようです。

東日本大震災により,さまざまな問題がでていますが,この本が

私たちの国のルールを改めて知るきっかけとなればと思います。

けんぽうくんがしゃべるイラスト入りの「物語」(ストーリー)です。

なお、現在先行発売されているのは、

紀伊國屋(新宿本店、南店、大阪梅田店)、

三省堂(神保町本店、有楽町店)、

文教堂(浜松町店)、リブロ(池袋店)等です。

http://www.subarusya-shop.jp/ (すばる舎ブックランド)

http://www.subarusya.jp/osusume_saishin/osusume_saishin.html

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「週刊ホテルレストラン」東日本大震災 応援メッセージ

「週刊ホテルレストラン」(オータパブリケイションズ)さんの

ホームページに,東日本大震災について,

各界の方々から,応援メッセージが寄せられています。

連載をもたせていただいているわたくしも

拙い言葉で恐縮ですが,メッセージを書かせていただきました。

http://d.hatena.ne.jp/hoteresweb/searchdiary?word=%2A%5B%B1%FE%B1%E7%A5%E1%A5%C3%A5%BB%A1%BC%A5%B8%5D

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USENラジオ(ビジネス・ステーション)

東日本大震災で被災された方々には,

改めてお見舞い申し上げます。

東京でも,さまざまな状況からまだ混乱があるようですが,

ひとりひとりはみなどこかに不安があるのだということを理解し,

できる限りのことを毎日やっていきたいと思います。

現在,新刊「憲法がしゃべった。」(すばる舎)をテーマに,

50分のラジオ番組が放送されています(3月14日~20日)。

チャンネルは,USEN放送の「I-28」です。

http://music.usen.com/modules/I/content0028.html

(放送は,東日本大震災より前に収録されたものです。)

「憲法がしゃべった。~世界一やさしい憲法の授業」(すばる舎)

日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4799100068/

3月23日発売予定です(一部で先行発売が始まっています)。

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がんばれ日本。

金曜日のある瞬間から、いまに至るまで、

次から次へと、

いままで遭遇したことがない事態に直面しています。

被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

またひとりでも多くの方が救助されることを願います。

東京も大きな揺れでした。

自宅に帰ると、5畳の書斎の本棚がすべて倒れ、

1000冊ほどの蔵書全冊が床にあふれていました。

机の椅子の座る位置まで本でうめつくされ、昨日は、

その本の上に正座をし、確定申告書を作成しました。

本好きのわたしにとっては心苦しかったですが、

あまりにも本が多く、いまも撤去できない状況です。

いろいろなことが次から次へと起きています。

しかし、焼け野原から復興したのが今の日本です。

(所長の鳥飼もこの点を指摘していました)。

ブログ更新はやめようと思っていましたが、

いつも読まれている方が訪問されることもあると思い、

つなたい文章を掲載させていただきました。

余震も続いており,いろいろ混乱が生じそうです。

がんばれ日本。がんばるぞ日本。

受験生もたいへんな状況だと思いますが,

身の安全を第一に考え,勉強ができる状態の方は,

落ち着いて,少しずつできることをされてください。

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Wednesday READING-No.93-美崎栄一郎「〔書類・手帳・ノート・ノマド〕の文具術」(ダイヤモンド社)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

花粉が飛び交う季節になりましたが,いかがお過ごしでしょうか。

わたしは今朝から,目が充血し,かゆい思いをしております。

今週ご紹介させていただく本 は,築地朝食会の主催者であり,

ビジネス書作家としても著名な美崎栄一郎さんの新刊です。

わたしはグッズについてこだわりがあまりないタイプなので,

仕事をするための文具について考えたことがなかったのですが,

本書は,写真の図もふんだんに取り入れられ,

仕事で活用でき,効率を上げるための文具術が,

たくさん挙げられています。

時代はデジタル化に向いていますが,本書では,

「アナログの文房具の使い方」が紹介されています。

読みやすく整理されているので,読み物としても,

面白いと思います。

「こんな文房具があったんだ」「こんな使い方あったんだ」

という発見がある本です。

○3月下旬に新刊が出ます!

 「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

 日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4799100068/

○「ジンジュール」連載中の読書コラム

http://www.jinjour.jp/column/26870.html

○本に眠る28の「宝」を書いた読書論

 木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

○新刊「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)

http://www.jinjour.jp/column/27911.html

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日本経済新聞「日経プラスワン」にコメントが掲載されました。

3月5日(土)の日本経済新聞「日経プラスワン」で、

文章の書き方の特集記事があり、

その中で拙著「弁護士が書いた究極の文章術 」と

ともに、わたくしのコメントが掲載されました。

比較的大きめの記事でしたので、

ご興味ある方はご覧いただければ幸いです。

Kiyama_pulsone_2

○3月23日(水)に新刊が出ます!

 「憲法がしゃべった。~世界一やさしい憲法の授業~ 」(すばる舎)

 日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
 

○本に眠る28の「宝」を書いた読書論

 木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

○新刊「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)

http://www.jinjour.jp/column/27911.html

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「後悔しない大人のための読書論(第12回)」

WEBマガジン「ジンジュール」(労務行政研究所)で連載中の

読書コラム「後悔しない大人のための読書論」の最新記事が

アップされました。

DVD併用で、さらに効果が高まる! 大人の読書術

―「味わう読書」と「実用的な読書」(第12回)

http://www.jinjour.jp/column/29700.html

○3月下旬に新刊が出ます!

 「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

 日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
 http://www.amazon.co.jp/dp/4799100068/

○本に眠る28の「宝」を書いた読書論

 木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

○新刊「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)

http://www.jinjour.jp/column/27911.html

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Wednesday READING-No.92-渋井真帆=大沢育郎「「目隠しはずし」の税金講座」(PHP研究所)

みなさん,こんにちは。弁護士の木山です。

3月に入りましたが,いかがお過ごしでしょうか。

今週ご紹介する本 は,ビジネス書作家の渋井真帆さんと

税理士の大沢育郎先生が書かれた「税金入門」の本です。

本書は,本の雰囲気としては,分厚く硬質感があります。

しかし中を開くと,会話形式にイラストがたくさん。

とても親しみやすい雰囲気のなかで,税金を学べます。

重要な用語は大きな文字になっており,

いわゆる租税法で勉強する基本概念も学べますが,

それだけにとどまらず,世界の税金や統計資料など,

一般常識として興味深い記述がふんだんにあります。

税金を初めて勉強しようという方でも,すらすら読めますし,

税法を学ばれてきた方でも,軽妙な会話のなかから,

思わぬ豆知識などを得ることができる本です。

分厚い本ですが,ソフトな語り口でわかりやすく書かれています。

税金入門,一般教書書として,楽しく読める良書です。

○3月下旬に新刊が出ます!

 「憲法がしゃべった。」(すばる舎)

 日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4799100068/

○「ジンジュール」連載中の読書コラム

http://www.jinjour.jp/column/26870.html

○本に眠る28の「宝」を書いた読書論

 木山泰嗣「弁護士が書いた究極の読書術」(法学書院)

○新刊「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)

http://www.jinjour.jp/column/27911.html

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武富士最高裁判決の「須藤裁判官補足意見」

2月18日に判決が言い渡された武富士事件の最高裁判決。

税務訴訟で国に巨額の税額の還付を命じた事件としては,

法人税では興銀事件(約3000億円の還付)がありました。

武富士事件は,約2000億円で,個人の税務訴訟としては,

過去最高額だといわれています。

この事件については,2月19日付け「日本経済新聞」や,

共同通信社を通じ「信濃毎日新聞」「北海道新聞」

「神戸新聞」「山陽新聞」「岩手日報」等でコメントを公開しました。

ただ,この事件で最もインパクトがあったのは「補足意見」です。

この点について,今回の記事では補足をしたいと思います。

裁判長をつとめられた須藤裁判官は,補足意見を述べました。

裁判所のホームページでみることができます(9頁以下)。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110218155435.pdf

この須藤裁判官の補足意見は,次の点を指摘しています。

ひとことでいえば,「租税法律主義」の徹底です。

租税回避的な行為があったとしても,

行為当時における法律の規定を超えて課税することはできない。

理論的には当たり前のことですが,法律には「解釈」があります。

税務訴訟の多くは,法律の「解釈」が争点になっています。

今回も「住所」という法律の概念の「解釈」が問題になりました。

控訴審判決(東京高裁)は,租税回避的側面を強調し,

「住所」という概念を法律の「解釈」で拡げました。

しかし須藤裁判官の補足意見では,こう指摘されました。

・拡張解釈

・類推解釈

は,租税法律主義の観点から許されないと。

税法が規定している条文の文言は,解釈によって,

課税を強化する方向にも

課税を緩和する方向にも

とることができる面があります。

しかし須藤裁判官は,文言を厳格に解釈することで,

租税法律主義を貫徹すべきであり,

それによって租税回避が問題になるのであれば,

それは「立法」で解決すべきであると指摘されました。

憲法84条が定めている「租税法律主義」は,

世界史的には,「代表なくして課税なし」とも呼ばれた

民主主義の根幹をなす概念(原理原則)です。

日本の最高裁判所が,この憲法の大原則を,

租税回避的(国民感情)の問題があることを認めながらも,

断固として貫いた点に,この判決の核心があると思います。

【税務訴訟の拙著】

※ 税務訴訟の判例や実務を1冊にした体系書

   木山泰嗣「税務訴訟の法律実務」(弘文堂)

※ 小説で「税務訴訟」を描いた作品

   木山泰嗣「小説で読む行政事件訴訟法」(法学書院)

○新刊のご案内

「憲法がしゃべった。」(すばる舎)3月下旬発売予定。

日本国憲法を物語で学べるイラスト入りの本です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4799100068/

○「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)発売中

http://www.jinjour.jp/column/27911.html

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