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新司法試験に合格するために

新司法試験の発表が今月あり,合格率は約2割だったようです。

不合格になられた方には,一所懸命勉強したのに…

という方も多いかもしれません。

合格する方法は,いくつか書籍で書いたことがあります。

ここで改めて,不合格になられた方にお伝えすると,

大事なことは「合格を研究すること」です。

大学受験までの試験は,暗記の力(記憶力)テストでした。

意味がわからなくても用語や年号を覚えれば受かる試験。

これは記憶力などの学習能力を試されているからです。

これに対して新司法試験では実務家になる力が問われます。

裁判官,検察官,弁護士という法曹になる素養があるかです。

いまは法務省が公表している出題趣旨があります。

それをみれば何が求められているかが書かれています。

まずはこれを熟読し(全ての年度について)頭にたたきこむ。

それだけでは実感がわかないと思いますので,

合格した人の話をたくさん聴くのがよいと思います。

合格者体験記を読み込むのもよいですし,

合格者の講演があれば参加してみるのもよいです。

法科大学院の先輩合格者から直接話を聞くのもよいです。

こうした合格情報をいかにたくさん集めるかが,まず重要です。

なぜなら,司法試験は実務家になるための試験であるため,

他の試験とは求められている力が異なっているからです。

ひとことでいば,「知識」と「論理」です。

「知識」は法的知識です。

条文であり,基本概念であり,原理原則,

典型論点をめぐる法解釈の論点の分岐点,

問題が発生する理由,百選掲載判例の結論や規範などです。

この知識は,あくまで「基本的な知識」です。

幅を広げることではなく,深く深く深く理解することが重要です。

わかったつもりの「伝聞法則」,本当にわかっていますか?

というあたりまえの概念を徹底して勉強することです。

事例を通じて,論文試験の過去問を通じて演習を積むことで,

どのような角度から問われても,すらすらと答えられる力,

知らない問題をきかれても,基本原則から自分なりの筋道で

解答を論述できる力が求められています。

こうした部分が「論理」です。法的思考力とjも呼ばれます。

しかし試験で考査の対象になっているのは,論文の答案です。

あたまのなかでいかにすばらしいことを考えたとしても,

答案に示されていなければ採点されません。

論文試験は紙1枚の勝負です。

その答案に書かれたことだけで評価をされる試験です。

そのためには読みやすい文字で,読みやすい流れで,

読みやすい文章で,条文の条項数を正確に示し,

問題となる文言を正確に引用し,バランスよく法解釈をし,

正確に打ち立てた規範に,問題文の事情を拾いながら,

自分の言葉で評価を行い,あてはめを充実させます。

①条文を解釈して規範を定立し,

②その規範に事実をあてはめて,

問題を解決するのが法律家の仕事だからです。

「論理」の中核になる考え方は,「二項対立」です。

利益項量などとも呼ばれますが,法の目的にたちかえって,

大きく2つのベクトルがあることを示したうえで,

そこで問題になる原理原則(条文の趣旨)との兼ね合いで,

どこまで具体的妥当性を探求できるかの悩みを示します。

大前提としては,法的三段論法で書くことも忘れないことです。

法解釈(大前提)と事実認定(小前提)は,別に行います。

答案上,法解釈とあてはめを区別することです。

しかし全体のバランスから重要でない論点については,

短く結論と理由をひとことのみ書き,重要な論点については,

行数をとって丁寧に論証する。こうした感覚も実力のひとつです。

合格するための答案を書くためには,

実際に合格した人が書いた答案(再現答案)を大量に読んで,

研究するのが1番です。そのときにはあら探しはしないこと。

全部の答案に共通している事項を研究することです。

それが合格に求められている力だからです。

以上の正しい勉強を研究し,身につけながら,あとは気合です。

勉強時間がどれくらいがよいかは人それぞれです。

しかし本気で受かりたいのであれば,

勉強時間を最大限に確保した生活に変えていしかないでしょう。

専門家として仕事をするのは,生易しいことではありません。

大して勉強もしていない人を「専門家」と人は思うでしょうか,

ということを立ち止まって考えてみることです。

受かりやすくなった新司法試験のもとでは,

圧倒的な勉強量を確保することが,合格にもつながり,

それだけでなく,合格後の実務でも強力な武器になります。

そこまでするのか?

という人は,そこまでしてでも自分は法曹になりたいのか?

という根本的な問題と向き合って,自分の答えを出すことです。

不合格の理由を他に向けているのは,本気とはいえません。

自分ごとでとことん考え,悩んで,たくさん勉強する。

そのことで運もやってくると思います。

わたしも苦労し,つらく悲しい想いをしていました。

大きな壁が立ちはだかる感覚はよくわかります。

でもやるしかありません。

【関連書籍】

○「弁護士が書いた究極の勉強法」(法学書院)

 (旧司法試験3回目の不合格からスタートする本)

 http://www.amazon.co.jp/dp/4587232254

○「勉強が続く人の45の習慣」(法学書院)

 (勉強を続けるためのコツを45個挙げた本)

 http://www.jinjour.jp/column/27911.html

○「弁護士が書いた究極の文章術 」(法学書院)

 (読み手のことを考えた文章の書き方を書いた本)

○「もっと論理的な文章を書く」(実務教育出版)

 (論理という感覚にも似た説得力の技術を書いた本)

 http://www.amazon.co.jp/dp/4788907968

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